今回、放送大学教養学部と放送大学大学院文化科学研究科の2つの学位を頂くのだが、これはいわゆる「二重学籍」である。
「二重学籍って法律違反じゃないの!」っていわれそうだが、そのような法律は存在しない。じゃあ、なんでもOKかというと、それは間違いである。各大学が学則で「二重学籍の禁止」を明言している場合、二重学籍はルール違反であり、最悪学位剥奪や除籍となる。
なぜ各大学が二重学籍禁止にしているかというと、「大学設置基準」において「1単位を45時間の学修」と設定しているからである。よく、15時間の大学の講義+30時間の予習復習=45時間と言われるが、もし二重学籍を認めてしまうと、このロジックが崩れてしまう。だから、1つの大学での学修に特化させるべく、二重学籍を禁止している。
しかし、社会人大学生が増えてくると、そもそも学修の基礎は実地や経験で織り込み済みの者もいるし、各種単位認定制度により、必要とされる学修時間は圧縮される。私の場合、放送大学教養学部で通常卒業に必要な124単位が16単位に、放送大学大学院で通常修了に必要な30単位が10単位まで免除される状況において、「学修時間が足りないから二重学籍禁止!」っていうのは筋が通らない。
2014年に私が「大学院」「大学」「短期大学」の三重学籍を成し遂げる前まで、放送大学は原則二重学籍禁止の大学だった。本部に二重学籍でも学修が妨げられない理由を書いて申請し、許可が下りた場合のみ認められる仕組みだった。私の影響かどうか不明だが、ちょうど私が卒業したタイミングで制限が解除され自由となった。
社会人大学生を含め、学びの多様化が進展しているためか、放送大学、産業能率大学、慶應義塾大学といった通信制大学で二重学籍は許容されている。とはいえ、京都産業大学の大学院通教では、たとえ科目履修生であったとしても他大学との二重学籍を禁止しているので注意が必要である。
まあ、こんなことを考えるのは異端児以外なにこのでもない。そもそも、生涯学習は無理なく真摯に学ぶもの。私のように、自分を実験材料に使って、どこまで学べるかを調査している者でなければ、散漫に学んで中途半端な評価となるより、1つに集中して学修されることをお薦めしたい。