Weblog喫茶 モンブラン

日常のあれこれをのんびり綴っています

After you, Arthur.

2008-03-19 23:53:19 | 秘密の本棚

モンブランへご来店の皆様、こんばんは。

私はSFが好きで、昔は結構読み漁っていました。
お金のない頃で、買えるのは文庫本ばかり。
ハヤカワ文庫SFシリーズには大変お世話になりました。

好きな作家は多いですが、中でも好きだったのが、アーサー・C・クラークです。
今日、彼の訃報を聞いて、とりあえずすぐ発掘できるだけの本を集めてみました。
先日の記事で、「2001年宇宙の旅」のペーパーバックを載せたばかりだったのですが、こんなにすぐにまた彼にまつわる記事を書くことになるとは・・・。

クラークの魅力というと、いわゆるかっちりとした「ハードSF」の世界の構成力がまずあげられるでしょうか。
科学的な考証を重んじたからか、「近未来」の宇宙開発などを描いた作品が多いですね。
それゆえに、「そのうち、ほんとうにこうなるかもしれない・・・」とワクワクさせるものがありました。

その一方で『幼年期の終わり』など、人類の滅亡や新たな進化をテーマとした、非常にスケールの大きい話も書いています。

彼は人生の後半をスリランカに移住して、作家活動の傍ら好きなダイビングをして暮らし、晩年は車椅子生活だったそうです。

宇宙と人類の行方をずっと想像し続けていた彼は、スペースシャトルが飛び、ようやく宇宙ステーションを作り始めた21世紀初頭を、「もう少し生きて、見届けたい」という思いで過ごしていたのかもしれません。

もし、彼が生きていて、私が幸運にも宇宙に行けることになったとしたら、私は喜んで、彼に順番を譲るだろうと思います。

"After you, Arthur."

彼の魂が、星々の間を自由に駆け巡っていますように。




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6 コメント

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Unknown (茶葉ママ)
2008-03-20 08:58:07
お~、なんともいえない雰囲気のある本・本・本・・・
子供の頃、こういう夢のある小説にめぐり合えると、
その後の人生が豊かになりますね。
私は全然、本を読まずに過ごしてきて、
今、反動で読みたい感情がふつふつ・・・
映画はよく観るけどあとから結末を思い出せないことが多いんです。
やっぱり決められた時間と与えられる映像に任せず、
自分のイマジネーションを膨らませて読み進むことで記憶に織り込まれるんでしょうね。
こんなに本があったとは (ぱぴりお)
2008-03-20 11:58:20
アーサー・C・クラークの本をこんなにたくさん持っていたとは知りませんでした。
これが、ヴィシアのSFの原点なわけですね。
私は本を読まない子供だったので、どの本もぜんぜん知らないのですが、面白そうな本ばかりですね。
私もビジネス本ばかり読んでないで、たまにはこういうのも読んでみますか。
先日も子供達に、「お父さん、たまにはファンタジーも読んでみたら?面白いよ」とたしなめられたところです。
パクスマリーナ (yutakarlson)
2008-03-20 13:22:49
こんにちは。クラーク氏がなくなりましたね。最近もある本を読み返したばかりです。それは、「海底牧場」という書籍です。この小説では西欧の人でも、過去には21世紀には鯨の時代になる可能性もなきにしもあらずと思っていた時期もあることがわかります。私は、これを題材として、鯨を含む海洋資源と海洋開発の重要性と、将来性などについて私のブログに書きました。私は、ここからさらに話しを発展させ、「パクスマリーナ(海の平和)」という考えを持つに至りました。これをいずれ、時代を変えるような「パラダイム」の次元に高めるか、あるいはSF小説のネタにするか、あるいはただの妄想で終わるのか(笑)?どうなるかわかりませんが、未だに私達に影響を与え続けるクラーク氏は素晴らしい人だったし、これからも語り継がれていくことでしょう。是非私のブログをご覧下さい。
皆さんへ (ヴィシア)
2008-03-21 21:49:19
皆さん、コメントありがとう!

★茶葉ママさんへ:
この文庫本は、どれも古いものなので、カバー絵が手描きのものが多いんですよね。
そのあたりも味わいがあるかもしれません。
今もここの本の多くは版を重ねていると思いますが、カバーはCGの絵に変わったようです。
今は子供向け小説というと、剣と魔法のファンタジー全盛の時代ですが、科学の世界のファンタジー=SFのすぐれた物語も、もっと読まれてほしいなと思いますね。
私も映画より本の方が、筋をちゃんと覚えていられることが多いような気がします。イメージを自分で生み出すからでしょうかね。

★ぱぴりおへ:
まだ蔵書はあるんですが、掘り出しきれずこのへんまでとなりました。
そうですね、他のSF作家もいろいろ読みましたが、一番多く読んだのはたぶんクラークです。
短編もたくさん書いているので読みやすいものもあると思いますよ。
SFのいいところは、仕事の役に立たないところかなぁ。(笑)

★yutakarlsonさんへ:
初めまして、ようこそモンブランへ!
「海底牧場」、写真には撮りませんでしたが、私も持っていますよ。
ダイビングが趣味だったクラークらしい着眼点の作品だと思います。
宇宙開発と海洋開発、どちらも進んでいくでしょうね。深海にもまだまだすごい驚異が隠れていそうです。
すごいねぇ (フィナンシェ)
2008-03-24 12:29:30
全部ヴィシア文庫?これだけ読破しかつ蔵書とは...!すごい!所蔵目録作りたくなってきた。
アーサー・C・クラーク、私は映画だけ。子供のころのSFといえば、星新一、光瀬龍、筒井康隆...あとマンガとアニメ。前述の「百億...」には大きな影響を受けました。
海好きの私は海洋開発はSFだけにして欲しいなぁ...神秘なままでそぅっとしておいてほしい。
フィナンシェちゃんへ (ヴィシア)
2008-03-25 23:21:06
フィナンシェちゃん、コメントありがとう!
文庫本がほとんどですが、SFは多少持っているほうかなと思います。
本って捨てられないたちなんですよね。
母がなくなり、父が再婚して実家を売却したときに、実家にキープしてあった私の荷物も処分することになり、あわてて帰省して本を荷造りしたのですが、受け入れ側のスペースの都合もあって、搬出し切れなかったものも結構ありました。
泣く泣く置いていき、ゴミとなったのですが、もったいなかったなぁ。

子供の頃は日本のSF作家がまだまだ元気で、フィナンシェちゃんのあげてくれた他にもたくさんいましたね。後進があまり育たなかったのが残念です。世界的にもそういう傾向ですね。
海洋開発は地球環境にダイレクトに影響を与えると思うので、するならほんとうに慎重にやってほしいですね。
海洋深層水も、よくわからないうちにあんまり取らない方がいいんじゃないかな・・・と思っています。

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