シチュエーションだけ

とある男がいた。彼は一目を見はからい集積所に置かれた袋を漁る。
口に加えたペンライトと手慣れた手つきでゴミをより分けていく。
その中からめぼしいものを見つけたのか男は袋を掴みバンに乗り込み去って行った。

荒らされた集積所には紙クズが大量に散乱していたが、誰も男が漁ったと思う事はなく、夜が明けても誰もが「散らかっているな」としか思わなかった。

男は自宅のマンションで持ち帰ったゴミ袋から紙のたばを取りだし、ひとつひとつに目を通していた。
やがて男を満足させるものが見つかる。
男は目を輝かせながら、更に紙を漁った。

後日朝刊の一面には某企業の不正が資料の一部の写真と共に載る。
当然ながら文面には「関係者からの情報」とある。
公開されない取材源としてニュースは作られていく。






だからその資料はシュレッダーにかけなよ

ついつい印刷の裏紙をリサイクルしたりとか、秘匿機密情報をほいほいゴミ箱に捨てるリスク

最近はようやくシュレッダーが習慣になりつつあるが、未だに十分とは言えない

機密情報をオンラインのパソコンに置いたり

まあ淘汰されたら良いと思います(笑)

ふと資料流出のニュースを眺めながら