山のあれこれ

山の楽しみのあれこれを紹介していきたいと思います。

「山で…」その1より 夏のお花畑でのたわごと  焼石岳

2008-07-15 | 山想
お花畑で寝ころんで、白い雲を眺めたり、鼻先を躍る蝶を目で追ったり、頭の上から挨拶するキスゲに会釈したり… そういう時間を僕は未だ持てない。

時計はポケットに突っ込んだまま、雲一つない青空に積雲がモコモコと湧き上がって大きく被い始めても一向に気にしない、米を研ぐ手間のことさえ考えもしない、どうして僕には、そんな風に考える余裕が無いんだろう。こんなに素晴らしい景色の中にいるのに。

緑の草原が連なり、朝のスカッとした太陽が輝き出した。大きな箒に緑の絵の具をボッシャリ滴らせて、大様に書き殴ったような山並みが正面にある。僕達の向かう正面鞍部には、焼石岳山頂のどうにも、ここに頂きを示す何者かがなくてはならないように、茶色の突起が頭を見せている。

山頂直下の泉水沼とか、なにかあれもこれもと、少し恥ずかしがり屋の新婚の奥さんのご馳走のようで、出来すぎていて、注釈を付ける間もないような景色だ。

 (1971.8/1,2,3 焼石岳から夏油温泉 1日目、夜行列車を水沢で降りてバスで石淵ダム、昼過ぎに残雪とお花畑の銀明水についた。先に行く連中を見送り青いツェルトを張った。翌朝、焼石の山頂を踏んで金明水(ここには避難小屋)を経て夏油川に降りた。温泉の自炊部に泊。3日目は北上から東北本線(6時間)で帰京した夏の東北の山旅)

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