山のあれこれ

山の楽しみのあれこれを紹介していきたいと思います。

「山で…」その1より 登山靴

2008-07-13 | 山想
四月三日、それは僕の山靴の2周年記念日なんだ。ボロボロになった布製のキャラバンシューズを玄関の奥の暗がりに突っ込んで、今まで、こんなシロモノを買い込むなんて信じられない気持ちで、革の臭いがプーンとする奴を大枚一万円也で新大久保のICIから抱えて帰ってきた。

翌日、早速厚手の靴下を履いて無理に押し込んだ素足は赤く腫れ上がり、奥多摩は浅間尾根のとっつきでさえ、思うように足が前にでなかった。春の日の浅間嶺で、靴を脱いで昼寝を決め込んで、再び、歩き始めたんだっけ。すると、どういう訳か調子が出てきて、とうとう鞘口峠から更に湖に下り、あのドラム缶橋を、快い音をさせながらトントントンと渡ってきたのだった。それからというもの、ベロの無いICIの山靴が僕の山のお供をしている。

重荷を背負う為のものらしく、足首は浅いが革は硬く、底はまだまだ分厚い。山屋さんだと2年もするとビブラム底の張り替え時といいます。でも、僕の歩きっぷりでは、まだまだあと2年は充分持ちそうだ。

ずいぶんと踵とか指の付け根とか痛めもした。その点では人見知りする悪い靴なのかも知れない。でも、こいつに足を突っ込むと、なんて言うか、安堵にも似た安らぎの気持ちが伝わってくる。だから、時折、脂をくれてやる気になるんだ。
(1971.4.3記)初代山靴。その後、双葉、ゴロー製のいずれも皮革製登山靴を愛用。

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