わが家の犬は世界一 キングレコード このアイテムの詳細を見る |
製作=2002年 中国 100分
監督=ルー・シュエチャン
脚本=ルー・シュエチャン
出演=グォ・ヨウ ディン・ジャーリー シア・ユイ リー・ビン
公式HP=http://www.zaziefilms.com/wagayano-inu/
キャッチコピー=家族の愛より 犬の愛?
【レビュー】
約10年前の北京では、衛生上の問題から犬の飼育に厳しい制限(①公安への登録義務 ②多額の登録料=5,000元、日本円にして約70,000円 ③散歩時の登録証携帯など)が設けられていたそうです。本作では、未登録であったために公安に没収された愛犬カーラを取り戻すべく奔走するサエない親父ラオとその家族の一日を淡々と描いています。監督・脚本は、これが長編3作目となるルー・シュエチャン。チャン・イーモウ監督「活きる」でカンヌ国際映画祭男優賞に輝いたグォ・ヨウが主人公ラオを、「太陽の少年」「再見 また逢う日まで」のシア・ユイが公安の警官を演じています。
最後の終わり方に思わず「えっ?」と言ってしまったぐらいビミョーなラストでしたが(笑)、あれはあれでいいのかな?無事にカーラを取り戻してハッピーエンド!ではなく、ラオさん一家には今後も”人間レベル”の解決すべき問題が残っているんだよ、ということで・・それにしても、奥さんや子供にかまってもらえず、家で自分を待っててくれるのは愛犬だけというラオさん。いやー、KUNSANの周りにもいますね、こんなオジサン(笑)。
中国映画というと「歴史もの」のイメージが強いのですが、ここ数年は庶民の生活を描く社会派作品も日本で公開又はDVD化されています。日中両国、互いの国に対する間違った認識、誤解を正すためにも、こういった映画・テレビといった媒体はとても効果的だと思います。KUNSANもこの映画を観るまでは、北京で飼い犬の制限がなされていた事実を知らなかったですから。そうそう、この映画のおかげなのか、2003年10月には制限が一部改定され、登録料が5分の1の1,000元まで引き下げられました。その結果、北京では現在42万匹のペット犬が登録され、空前のペットブームとなっているそうです。