部品Blog

―― 部品技術・部品メーカー関連の記事集.

サムスン電子、中国にNANDフラッシュメモリーの新工場を建設 東芝の戦略に影響も

2011-12-07 | 半導体業界



 韓国のサムスン電子は6日、中国にNAND型フラッシュメモリーの新工場を建設する許可を知識経済省に申請したと明らかにした。先端技術を用いるNANDの前工程は韓国と米国で手掛けており、中国への進出は初めて。

 サムスンを追撃する東芝などの戦略にも影響を与えそう。


●顧客要望に迅速対応

 新工場の場所や投資規模、生産能力、合弁条件などはいずれも明らかでないが2012年に着工し、13年に稼働するとしている。当初は現在の最先端の技術である回路線幅20nm台の技術を用いる。

 予定通りに稼働すれば、その時点での最先端から1世代以上遅れた技術で生産することになる。

 スマートフォンをはじめとするデジタル家電の工場の近隣地で部品を生産することにより、顧客からの要望に迅速に応じて東芝やハイニックス半導体に先行する。

 韓国政府は産業技術の流出を防ぐための法律に基づき、半導体や液晶などの先端技術を指定。国外移転する際は申告または承認の手続きを経る必要がある。

 サムスンでは技術流出を防止するためのシステム構築とノウハウの蓄積を進めており、流出懸念は非常に小さいと説明している。

 サムスンがインフラコストが圧倒的に安い中国に進出して一気に製造コスト競争力を高めれば、国内製造を前提とした東芝の事業戦略を根底から覆す可能性もある。


●生産体制の見直しも

 ウォン安を追い風に低価格戦略で攻めるサムスンに対し、東芝は長引く円高に足を引っ張られている。一方で世界屈指の微細化技術で製造コスト競争力を引き上げ、世界シェア首位のサムスンを追いかけてきた。

 東芝は、NAND型フラッシュメモリーを同社唯一の拠点である四日市工場(三重県)で生産している。

 2013年ごろに新たな生産棟を稼働させる計画とみられているが、海外進出検討も含めて生産体制を抜本的に見直す必要も出てきそう。





【記事引用】 「日本経済新聞/2011年12月7日(水)/3面」


最新の画像もっと見る