TDKは31日、秋田県にある3つの電子部品工場を閉鎖すると発表した。
TDKは創業の地である秋田県を含む東北地区に合計19工場を保有しているが、2011年10月以降に4工場を閉じる方針を明らかにしている。
●競争力強化急ぐ
生産効率の低い古い工場の閉鎖や、生産品目の集中と選択を通じて、競争力の強化を急ぐ。
コンデンサーやコイルなどの生産に携わる合計700人は秋田地区の他工場に異動させて雇用を維持する方針。生産設備も移管する計画。
同日会見した桃塚高和執行役員は、「(昨年秋に発表したリストラ策にともなう)国内拠点の再編はほぼ完了」と述べた。
今回、セラミックコンデンサーを手がける子会社TDK―MCCの象潟工場(秋田県にかほ市)を12年9月に、コイルや製造装置を担当する象潟工場(同)と高周波部品を生産する子会社TDK羽後の金浦工場(同)を13年3月に、それぞれ閉鎖する。
TDKは独電子部品大手のエプコスの買収などに伴い、世界規模でグループの従業員が過剰となっている。競争力を回復させるため、11年10月末には今後2年間で全世界従業員の13%にあたる1万1000人の削減方針を公表している。
TDKによれば現時点で昨年9月末に比べて、海外従業員を中心に約5500人を削減したという。国内では約1000人を削減する方針。
【記事引用】 「日経産業新聞/2012年2月1日(水)/3面」