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電子部品各社、構造改革を加速 海外勢の攻勢で苦戦、工場閉鎖・リストラ相次ぐ

2012-02-18 | 電子部品業界



 電子部品各社が構造改革に着手している。

 TDKが東北地方の19工場のうちコンデンサーなどを手がける7工場を閉鎖するほか、太陽誘電は約30年ぶりに人員削減を実施。NECトーキンもリストラに踏み切る。

 韓国メーカーの攻勢でこれまで収益源だったスマートフォン市場でも日系の苦戦が目立ち始めている。TDKと太陽誘電は2012年3月期に当期赤字になる見通しで、一段の生産効率化により業績立て直しを確実にする。


●かつてない逆風

 TDKは、14年3月末までに秋田地区を中心に7工場を順次閉鎖する。同時に、全従業員の13%に当たる1万1000人を削減する方針で、11年末時点で5500人を減らした。

 同社はモノづくり力強化と収益力改善に向け、11年から人員削減や拠点再編といった一連の構造改革に着手。12年3月期に当期赤字に転落する見通しの中、生産設備の集約と品目見直しを急ぐ。

 合理化の動きは業界全体に波及している。太陽誘電は、国内従業員の約20%となる1000人を削減する。同時に生産拠点の再編にも着手し、海外生産比率を高める方針。

 また、NECトーキンは国内1500人の従業員のうち16%となる250人を削減する。かつては日本のお家芸だった電子部品。だが、円高やデジタル家電製品の不調を受け、かつてない逆風にさらされている。

 中でもTDKと太陽誘電が主力にするコンデンサーは、韓国や中国メーカーなどの攻勢で競争が激化。パソコンやテレビ向けでは日系が太刀打ちできないほどの低価格品が業界を席巻しつつある。

 デジタル機器以上に多くの部品需要が見込めるスマートフォン向けについても、勝ち組と負け組の2極化が鮮明になっている。

 村田製作所がトップシェアを堅持する一方、TDKなどは大手スマートフォンメーカーでの採用に苦戦。開発投資負担がかきみ、積層セラミックコンデンサー事業は赤字に陥っている模様。


●反転攻勢狙う

 生産効率向上への改革が急がれる一方、一段の成長のためには新規事業の育成も欠かせない。TDKは希土類(レアアース)を用いない磁石や部品内蔵基板などに注力し、事業の選択と集中を急ぐ構え。

 他社も成長分野への投資は継続する方針で、反転攻勢を狙う。





【記事引用】 「日刊工業新聞/2012年2月17日(金)/8面」


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