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水晶デバイスメーカー、小型・薄型対応を強化、モバイル機器向け需要、一段と弾み

2011-04-02 | 回路部品



 水晶デバイスメーカーは、小型、薄型化への対応をさらに強化する。

 携帯電話におけるスマートフォンの比率が急速に高まっているほか、タブレットPCの生産台数が増加するなど、搭載される各種高機能モジュールを含め、モバイル機器における小型、薄型、高機能化が加速し、高密度実装化が進展。

 また、環境、省エネ関連の新しい分野でも、無線モジュールやカード向けなど、スマートグリッドの普及を視野に入れ、水晶デバイスの需要は小型化シフトに一段と弾みがつく見通し。


●高まる生産比率

 携帯電話をはじめ、デジカメ、ビデオカメラ、携帯音楽プレイヤーなど、モバイル機器の台頭で、水晶デバイスの小型パッケージの生産比率が高まっている。

 10年度上半期のパッケージサイズ別生産量を見ると、3.2×2.5mmの3225タイプの生産規模が最も大きく、13億9680万個。5×3.2mmの5032タイプからの小型化シフトが進んだ。

 3225タイプを品種別に見ると、民生用水晶振動子が全体の44%を占め、次いで産業用水晶振動子の27%、産業用水晶発振器の24%。

 さらに、3225タイプを小型化した2.5×2mmサイズの2520タイプは、4億1580万個に達した。

 これを品種別に見ると、産業用水晶発振器と産業用水晶振動子が39%、クロック用水晶発振器が16%、民生用水晶振動子が6%と続く。

 最も小型パッケージである2×1.6mmサイズの2016タイプは、1億2160万個。産業用水晶発振器の38%、民生用水晶振動子の33%、産業用水晶振動子の27%となっている。

 水晶デバイスの小型化は、これまで着実に展開してきた。現在では8×4.5mm、サイズや7×5mmサイズなどのパッケージも量産されているが、端末系での利用ではなく、インフラ系の製品が多い。


●さらなる低背・小型化へ

 端末系は小型、薄型、軽量で高機能化の方向で新製品開発が進んでいることから、引き続き低背パッケージや小型パッケージが出現するものとみられる。

 現在、水晶振動子や水晶発振器では1.6×1.2mmサイズの1612タイプの量産も一部では始まった。2016タイプの性能をそのまま維持しながら小型化したもの。

 さらに水晶振動子では、1.2×1mmサイズの1210タイプも量産が準備されつつある。

 音叉型水晶振動子ではカード対応として超薄型化技術が進展しており、3.2×1.5mmサイズでは新たに厚み0.38mmが商品化された。

 さらに小型化としては、1.6×0.45mmサイズへと進展している。





【記事引用】 「電波新聞/2011年4月1日(金)/3面」


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