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スパンション・ジャパン、更生改革案提出を半年延期 債権者と妥結図る

2009-08-05 | 半導体業界



 半導体中堅で会社更生手続き中のスパンション・ジャパン(福島県会津若松市)が、今月12日としていた更生計画案の提出期限の半年延期を東京地裁に申請し、認められたことがわかった。

 5割超の従業員削減などを実施する方針だが、詳細を詰め切れていないもよう。債権者との協議で妥結点を探り、2009年度中に更生計画の認可取得を目指す。


●計画案提出延期が得策

 スパンション・ジャパンは旧経営陣が管財人となって事業再建を主導するDIP型と呼ぶ手法で更生手続きを進めている。

 同社は741億円の負債を抱え、2月に更生法適用を申請。債務の何割をいつまでに返済するのかを記す更生計画案について、リース会社が多くを占めている債権者と協議してきた。

 当初は12日に計画案提出、およそ1カ月後に認可を受け、早期に計画実行に移る想定だったが、「債権者と話し合いを深める必要があった」という。

 親会社で3月に経営破綻した米スパンションとともに選出に取り組む再建支援のスポンサー探しも継続中で、計画案提出の延期が得策だと判断した。

 これにより、8月12日に予定されていた東京地裁への更生計画案提出は来年2月24日に延期され、9月以降とされていた更生計画認可予定日は未定となった。


●NOR型市場縮小

 同社は会津若松市の半導体工場で、携帯電話やデジタル家電に使う「NOR型フラッシュメモリー」を製造している。

 NOR型は読み出しが高速だが、東芝などが生産するNAND型ほど集積度が高くない。米スパンションは、40%近い世界シェアを占めるNOR型の業界最大手だった。

 NAND型の性能が高まった上、フラッシュメモリーも大容量になり、NOR型の市場は収縮傾向。  

 米スパンションが利益性の低い携帯電話向けフラッシュからの撤退を決め、親会社が主要顧客だった日本法人も、家電用の組み込み事業に注力する意向。

 スパンション・ジャパンは9月にも会津若松工場の従業員1100人のうち600人を削減し、本社機能を持ち300人を抱える川崎市の拠点でも要員を半減する予定。

 口径の小さい200mmウエハーラインを主力に据える「身の丈」にあった経営体制を築き、利益計上が可能な体質への転換を模索する。




 
【記事引用】 「日経産業新聞/2009年8月5日(水)/5面


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