ミラノはミラノ

ミラノ在住のおねえさん(うそ)おっさんの気まぐれ場当たり日記

イタリアに原発は、いらない

2011-06-24 00:00:03 | 日記

画像の解説は、最後の方に

イタリアの脱原発へ向けた国民投票は、日本でも多く報道されました。
結果は、8割以上の国民が原発は不要だと判断したので、今後、公な場所での原発論議そのものができなくなりました。

イタリアにおける国民投票と、イタリア人の意識というものに少し触れてみます。

第2次大戦後にイタリアを共和国とすることが、イタリアの歴史的な初めての国民投票でありました。
その後1974年には、離婚を認めるか否かを決定する国民投票が行われ59%が賛成し法律的な離婚が認められるようになりました。
それら以外にもいくつかの国民投票が行われたものの、有権者の5割未満しか投票しなかったことにより、投票そのものが無効とされてきました。
イタリアの法律では、投票総数が総有権者数の5割に満たない場合は、投票自体が無効とされます。

実は、今回の国民投票も、先月の地方選挙と同じ日に行うべきであったのですが、ベルルスコーニ政権が、あえて投票日を別にすることを決定しました。

つまり、現政権は、投票結果が原発反対になるであろうことを事前に予測できていたから、5割未満の投票率にして、国民投票を無効にしようとコントロールしていた訳です。
行政費用の視点からも、1ヶ月後にまた投票を行うというのは、ナンセンスで、スイス等は、同じ日に投票をさせています。

ここで、少し、イタリアの原発政策を時系列で整理して見ましょう

1963 イタリア初の原発が稼働
1986 チェルノブイリ原発事故
1987 国民投票で、原発新規建設法の廃案を決定
      国会が原発2基の閉鎖を求める動議
1990 政府が既存の原発での発電禁止を決定
2009 ベルルスコーニ政権が、原発の新規建設でフランスと協力協定 原発開発法を制定

2011 5/24 政府の原発凍結法が下院で決定 (国民投票をさせないための決定)
          6/1  最高裁が国民投票を予定ごおり実施すべきと判断 政府の思惑を退ける

   6/12~13 国民投票実施


イタリアという国(国民性も含めて)我々日本人が見ると、どうもいろいろなことが欠落しているように思えるのですが、生命の尊さということに関しての意識は、日本人も見習わなければならないものがあるように思います。

そして、民主主義は何であるのかという理解は、日本人よりも深いものがあるように感じます。
日本の場合、選挙は権利だという認識が強いですが、イタリアでは、権利と同時に義務でもあると考えている方が多いので、国民投票での国民の意思を決定するということが普通に行われているように思います。

最初の画像

先頃バチカン市国では、法皇の考えで、ソーラーパネルを相当数設置しました。
イタリアという国(キリスト教圏の国も含めて)法皇の考え方に重きを置きますので、国民投票により選択した脱原発のために、今後このような自然エネルギーを利用した発電が数多く行われることになって行くのでしょう。

 

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