クラムとジジイの泣き笑い

一人暮らしのジジイが、Mシュナを飼う事にになった。小型犬故、寿命は、20年か?私は90歳まで長生きしなければいけない。

老人性乖離22(荒金均の場合)

2013-04-16 06:13:12 | 日記
クラムは友好的な犬です。誰でも友達と思っているものだから、危険な犬にも、近づいて行き噛まれたことが何度かあります。ミニ
シュナの特徴かもしれません。公園で会う、同種の犬は15~16匹い
ますが、どの犬も喧嘩はしません。ところが、昨日街角で見たミニシュナは違っていました。猛々しく喧嘩早いやつでした。どこにでも、出来損ないはいるものです。

老人性乖離
人の命は果かないものと言うが、あっけない別れであった。均はまた一人暮らしに戻った。勤務を終えて帰宅しても暗く寒々とした部屋が待っているだけである。明かりをつけると、いつも、保子が座っていた鏡台が、疲れ果てた老人を写し出してていた。鏡とは判らず、誰か一緒に入ってきたのかと思い振り返って見ても、誰もいない。目を凝らして老人を見て見詰めると、それは、鏡の中の均自身だったのです。「これはいけない。まるで希望を失った老人ではないか。」この団地でも、老人の孤独死が6件相次いでいた。総てが60代の男性である。これに、つい最近50代の男性も仲間入りした。男は、脆く弱い者だ。団地の入居条件は、ひと頃の様に敷居が、高くなかった。空き部屋だらけで、一家で2部屋、3部屋と借り受ける人も増えていた。それでも、空き部屋は埋まっていない。ために、入居条件が緩和されたのだろう外国人でさえ入居している有り様だ。相次いで孤独死した7人もここ4~5年の間に東北各地から流入してきた人たちだった。離婚の果てや、家業の行きづまりで故郷を捨て、一人住まいの道を選んだ。そして生活費の枯渇からの餓死が4人、病死が3人だった。均の行く末を連想させる事件だ。隔絶された箱の中で朽ち果てて行くのは、あまりにも寂しい。どうせなら、友人たちに看取られて旅立ちたい。故郷には、無人になった我が家が待っている。帰ろうと決心した。。