21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

浄土の救い(一)-観無量寿経  ~極楽浄土の瞑想 第十二〈普観想〉

2011-05-22 19:50:02 | 経典
このように

極楽と
阿弥陀仏と
二大菩薩とに
見(まみ)えることが出来ましたら

まさに
自分自身が
西方極楽世界の
蓮華の中に


生まれようとしている

と観想なさって下さい。


あなたは
蓮華の中に
足を正しく組み
姿勢正しく坐っています〈結跏趺坐〉。

その蓮華が
閉じてゆく想い

をなします。


なし終えましたら
今度は

その蓮華が
開いてゆく想い

をなします。


この蓮華が開く時には

五百色の光がやって来て
あなたを照らします。

あなたは

(まばたきしながら、ゆっくり)

目を開きます。


すると

阿弥陀仏が

虚空に満ち満ちるほどの菩薩たちを引き連れて

あなたを迎えに

目の前にいらっしゃるのです。


〈宝の池より生まれた鳥たち〉も

〈宝の樹の連なった林〉も

また
〈円光より生まれる数々の化身仏たち〉も

その美しい歌声や
奏でられる音楽は
すべて

〈尊く妙なる仏法〉

を表していて

私、“釈迦仏の説く法”と
変るところはありません。


この観想行の瞑想(三昧)から出た時にも

これらのことを記憶して保ったまま

目の当たりに出来る様になさって下さい。


この境地を

〈無量寿仏と極楽世界を目の当たりにする〉

と呼ぶのです。


これが第十二の瞑想たる
〈普(あまね)き観想〉です。


無量寿仏は
数知れぬ化身仏たちと
観音・大勢至を伴として

常に

この修行者のところへと

やって来るようになるのです」


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