現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

岡田淳「願いのかなうまがり角」

2018-02-19 08:56:39 | 作品論
 児童文学研究者の宮川健郎は「声をもとめて」という論文(その記事を参照してください)の中で、「声が聞こえてくる」幼年文学のひとつとして、この作品をあげています。
 主人公が小学三年生で内容もそのグレードに合わせてあるので、幼年文学と一般の児童文学の境界に位置します(出版社の分類でいうと中学年向けとなります)。
 おじいちゃんの途方もない「ホラ話」が七個も載っています。
 おじいちゃんがボケで、主人公がツッコミという役回りで、ほとんどが会話で構成されているので、漫才を聴くような味わいがあります。
 作者は関西人なので、この関西弁の漫才の間の良さは天性の物でしょう。
 これもまた、おじいさんと孫の男の子の理想形なのでしょうが、生活感を廃して「ホラ話」に徹しているので、嫌味なく受け入れられます。
 これは2012年度の日本児童文学者協会賞の候補作だったのですが、残念ながら受賞しませんでした。
 幼年文学でエンターテインメントに近い作品なので、まだハードルが高いのでしょう。
 他の記事にも書きましたが、幼年文学とエンターテインメントが今の児童文学の主流なのですから、そろそろ賞の基準を見直した方がいいかもしれません。


願いのかなうまがり角 (岡田淳の本―ファンタジーの森で)
クリエーター情報なし
偕成社


『本』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 2月18日(日)のつぶやき | トップ | 2月19日(月)のつぶやき »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品論」カテゴリの最新記事