現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

火の鳥 異形編

2019-01-13 10:45:11 | コミックス
 1981年に「マンガ少年」に連載された短編です。
 「ループ物」といわれる時間SFの1ジャンルに属する作品で、繰り返される時間(この作品の場合は約三十年間)における主人公の苦悩(自分で自分を殺し続ける、凶暴な父親との葛藤、男性として育てられた女性の苦しみ、戦国武将である父親による被害者たちの救済(火の鳥の羽を使って怪我を直す)など)を描いています。
 こうした「ループ物」のテーマは、いかにしてこの時間ループを抜け出すかなのですが、この作品では永遠の生命を持つ「火の鳥」らしく最後まで抜け出しません。
 ただ、火の鳥の羽による救済の対象が、だんだんに妖怪(人間に虐げられている物の象徴でしょう)になって、有名な土佐光信の「百鬼夜行絵巻」に結び付けています。
 「百鬼夜行」と言えば、中学三年になる前の春休みに、友人たちと四人で「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」を見にいった時の併映作品だった「妖怪百物語」のことを、今でも思い出します。
 一回目の上映が「妖怪百物語」で、早朝のせいか、観客は私たち四人だけで、わざわざ最前列の真ん中に並んで腰かけて見た妖怪映画は、あたりに誰もいないせいか格別の怖さでした。
 そのラストシーンが、登場した妖怪たちが深夜の町を練り歩く「百鬼夜行」のシーンでした。
 上映が終わって場内に明かりがついいた瞬間、私たちは映画以上にびっくりして飛び上がってしまった。
 いつのまにか、私たち四人はたくさんの観客に囲まれていたからです。
 メインの「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」をいい席で見ようと、いつの間に他の観客たちが入ってきていたのでした(当時は、場末の映画館では全席自由席で途中入場もOKだったので、席を確保するためにこのようなことは日常的に行われていました)。
 「百鬼夜行」に夢中になっていて、私たちは他の人たちが入ってきていることに、全く気付かなかったのです。



火の鳥3 ヤマト・異形編 (角川文庫)
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