BS・・もとい! VS隊長な日々

ただの保護者だったのにいつの間にやらBS隊長3年を経てとうとうVS隊長。
愚痴や独り言が満載

新たな挑戦

2009-12-24 16:21:59 | VS活動レポート
9月に上進したVS1名が年明け早々にVS章課題に挑む。

従来、当隊のVS章課題ではソロハイクとソロキャンプを組合わせて実施
してきたがその中に自分なりのテーマ、そして課題を設定して臨んだ。
そのテーマはそれぞれであり、そのテーマによって体力的に、あるいは
精神的に特段厳しいものである、とは限らないものだった。

結果論として前議長、前々議長のソロキャンプでは台風の直撃を夜半に
受ける、という試練を体験しているが、自身の計画の中では計画、実施、
評価のプロセスは重視していたがそのハードルの高さはそれほど重視され
ていたとは言い難い。

その実施の場所も団野営場での野営となったためにそこにつながるソロハイク
の場所も団野営場周辺、ということは通常の生活エリア内ということに
なっていた。


今回のソロハイク、ソロキャンプの計画では副長の上手なアオリが功を
奏して那須野営場で実施をはじめにスカウトが言い出した。
それ自体は良し! 
そこで計画の上梓をまったがなかなか上がってこない。

何度か隊会議の席上で確認したものの確たる答えがない。
季節は巡りどんどん寒くなり、那須での実施に勢いが薄れてきたのか?
と危惧してもいた。

先月の隊会議ではハイクのテーマについて、非常に取ってつけたような
あるいは本人の熱意を感じることのできないような課題を述べていたので
敢えて厳しい指摘をした。

課題選定は本人の本当のニーズに基づかなくては意味がないこと。
耳触りのいいとってつけたような課題を並べても通り一遍のVS章で
しかないこと。

ハイク距離がこれまのうちのスカウトの前例を大きく超える50~60Km
であったこと、冬場の那須のソロキャンプであったことから生半可な
決意では到底達成することができないことを強い口調で告げた。
本気でその課題に臨むのならば小賢しい課題など不要、『自分の限界に挑戦』
の一言ですべての課題をあらわせるはず、との指摘をした。

聡明で素直なスカウトであったがゆえにこれまではどちらかと云うと
優等生タイプとして育ってきた。 私のBS隊長時代の最後の年にBS
の見習いだったが直接的にここまで厳しい指摘をされたことはない。

非常にショックを受けた様子でその日の隊会議から帰宅した。

果たして、数日後にその保護者から「隊長に厳しく指導をうけた」と
ショックを漏らししばらく考え込んでいた様子を耳にした。

そして今月初めの隊会議。

テーマを「自分への挑戦」として計画書を上げてきた。
真冬の那須野営場を目指し、約30Km手前で電車をおりてハイクで
野営場を目指す。 翌日も約30Km歩いて電車の駅に到着し帰る、という
予定である。

この時期の那須は寒い。
11月の初めに私が実修所参加をした際は、比較的穏やかだったが
その2週間後の研修の話を聞くと気温も相当下がったようだ。
暖冬とはいえこちらでも朝晩は5度程度、場所によってはそれを下回る
からおそらく実施時期の那須では氷点下になるだろう。
防寒を考えての装備はもちろんだがだからと言ってあれもこれもと
詰め込めば30Kmの徒歩行がきついことになる。

おそらくはその実施はスカウトの予想を超える試練になるだろう。


隊会議で厳しい指摘をした際にそのスカウトに話したことである。
うちの隊ではこれまでそこまでの課題を実施したスカウトはいない。
これは間違いない。 難易度でいえばこれまでの前例とは格段の差がある。
だが、これまでの先輩スカウトは別の場面で道なき道を自分たちの手で
進んで来た。
VS活動の前例も実績も全くないなかで、そして先輩スカウトの存在も
全くないなかで手探りで一からVS活動を作ってきた。
それまで聞いたこともないような課題を与えられ、これまで見たことも
ないような活動をしている隊に触発され、当隊にとっては未踏の領域を
常に歩いてきた。

今回VS章に挑むスカウトは少なくとも隊活動、隊運営については既に
きちんとした道がある。 入ったときから躓くことなく歩いていくことの
出来る道が先輩たちの手で作られている。
そんなスカウトがこれまでの前例の範囲からはみ出すことのない課題で
VS章を取得するとすればそれはすこしも「Venture」ではないことになる。
だから、敢えて厳しいことに挑んでほしい、と。

そしてそのスカウトはその期待にこたえる計画を持ってきた。
自身で那須の浅野場長に連絡し野営場使用の可否を確認もしていた。

隊長承認を与え、私からも保護者あてに実施承認をお願いした。
当日はスカウトには知らせずに、顔を合わせることなく万一に備えたサポート
を予定している。



予定調和の優等生が大きく脱皮しベンチャースカウトになることを
期待している。


彼の挑戦が隊を更に一歩前進させてくれると確信している。


弥栄

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (blue_serow)
2009-12-25 10:46:14
チャレンジの成功とスカウトの成長を祈念して

弥栄!
Building New History (ibcjap1)
2009-12-26 10:25:41

スカウトの成長を願うkurosanの想いが、現実のモノとなりつつありますね。

これは机上の理論ではない文字通りの"VENTURE"(危険にさらす意)にふさわしいVS章挑戦と言えます。

世間の多くのVS隊においては、ウチのボーイ隊挑戦キャンプ基準(1級20km以上、菊章40km以上)にも満たない移動野営でVS章挑戦を実施している現実があります。(VS章60km以上)

VS章挑戦キャンプは『ベンチャースカウトとして認められる証』であり、ボーイ以下の野営では全くお話しになりません。

これは今後の富士章挑戦の『質』に関わる大きな課題と言えます。

そう言った意味においても貴隊新人スカウトの挑戦は、『新たな伝統』を創るにふさわしい内容であると言えましょう。

ちなみに当団では菊章挑戦以上の計画書の最後には必ずスカウトの『決意文』と保護者の署名を添付しています。

VS章挑戦キャンプの成功を祈ってます。


今年一年本当にお世話になりました。

来年は逞しく成長した両隊の新人達が切磋琢磨出来るコトを願ってます。

新たな歴史を刻む貴隊及びkurosan隊長に、力の限りの弥栄を贈ります。

ALL THE BEST 弥栄!!!

Unknown (bskurosan)
2009-12-26 12:39:46
>blue serowさん
ありがとうございます。
本人も当日は寒さと疲労でマジで大変だろうと思いますが、やり遂げたなら必ずや確変していることでしょう。

>ibcjap1隊長
いつもありがとうございます。
思えばこの2年半、常にうちのスカウトは貴隊の活動風景を心のどこかにおいていたことと思います。
常に触発され、引っ張られ自らを映す鏡のように思っていたかもしれません。

今回の新人スカウトは貴隊の姿を見たことがありません。 話には先輩スカウトの話で聞いた個ででしょう、それもきっとほんの数回だろうと思います。 でもそのDNAは2学年に亘る先輩スカウトの言動、行動、思いを通して確実に伝わり始めているのだろうと思います。

今季からの副長もその同種(同根)のDNAを持っています。

私自身、大いに期待しワクワクしています。


来年もよろしくお願いします。
Unknown (竹若番)
2009-12-26 16:06:32
うちの隊と比較にならない素晴らしいものですね。

参考にさせてもらってます。


スカウトに厳しさを求めたら
指導者を罷免される団なので徐々にやらないといけません。
ファーストステップの設定に悩むこの頃です。


この次の上京の時には
横浜宿泊を考えてますので
その時はよろしくお願いします。