ふだん『手ブレ猫』たちはごく当たり前の猫を装って、私たちを油断させている。
彼らは人前でブレてしまうことをひどく恥じらうから、夏休みの開放感を利用して、こちらが率先してトップレスでビーチに駆け出すなりしない限り、『手ブレ猫』が本性を見せてくれることはない。
私の〈手ブレ猫らいぶらりぃ♪〉ファイルNo.8に収録されたこの『タイタニック』にしても、私がまずジュノンボーイコンテストに7年間応募し続け、圧倒的な落選を繰り返すことによって、はじめてイニシアチブをとることができ、撮影可能にいたったわけである。
こんな奴の前では、はにかむだけ損だ。
そう相手に思わせることができれば、しめたものである。
目の前でこんなに堂々とブレてくれるのだ。