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紛失注意




5月にオマーンへ旅行した時、チェックイン荷物が3個ともロストラゲッジされた。


夫は出発の前々日に出張から帰国したばかり、しかもその際も同じエアラインでロストラゲッジに遭っており、3日間で2回の事故は彼なりに不愉快だったようだ。

わたしだったら使い慣れた化粧品が揃ってないとか、買ったばかりの靴が無事だろうかとかで10倍の騒ぎだっただろう。夫でも電気ひげ剃り機なんぞ3個も家に常備してませんがな。



オマーンの空港カウンターでセオリー通りに150ポンドが支給されたが、それで買えるのは夫に緊急水着一枚くらいのものだ。

ホテルに到着したのは深夜だった。
最小限のものはキャリーオンのハンドバッグに入っていて無事だったものの、ヘアブラシをスーツケースに入れたため、洗った髪をとかすことができず往生した。バトラーが走り回ったにもかかわらず、ヘアブラシも櫛もホテルに常備されていなかったのだ。すでにホテルのスパも、街の雑貨屋も閉店していた。わたしは背中までのロングヘア故、見事なドレッドヘアだった。やれやれ。

わたしの髪の状態のために食事はルームサービスを頼まざるをえず(食事はともかく夜はバアに行きたくてしょうがないのに・笑)、

翌日は着替えがないため、スパの予約をねじ込んでもらい、身一つで終日を潰した。一日中、バスローブ姿で。

そしてスーツケースが届く約束の23時まで、シャネルのシフォンのドレスや、濃い薔薇色のボトルに入ったクリードの春の花、使い慣れたヘアブラシ、気持ちのいいオーバドゥの肌着、ブロンズの稲穂のようなルブタンのサンダル、友だちが日本から持って来てくれたアネッサ「アネッサなしでは40度の炎天下に出て行けない...」のことなどを思いながら、うつうつとしたものだった。
自分でも自分が相当つまらない人間だと思わないこともなかった(笑)


もちろんここがハワイやドバイだったらこれ幸いと買い物に出かけることも可能だったろうに。


ホテルはロストラゲッジ客のために女性用の化粧品一式は有料であってもコンシェルジェデスクに(<ブティックではないのが味噌)用意しておいて欲しいと思った。
それもさらにがっかりするような品ではなく、沈んだ気持ちに光が射すようないいブランド、例えばシスレーとかプレリーとか。ホテルのせいではないけど、有り難がられることこの上ないと思う。日本のコンビニは日本にしかないのである。



去年、ヒースローのターミナル5オープン当日に騒ぎに巻き込まれ、スーツケースが一ヶ月も返ってこなかったこと、この時は一日使い捨てコンタクトレンズをすべてスーツケースに入れてしまっていて、旅先のスウェーデンで本当に困ったこと、

15年も前、メキシコ線でスーツケースが無くなって結局出てこなかったこと、それが12月24日の夕暮れで、アメックスのオフィスから何もかもが閉まっていたこと(でもわたしは若く、貧乏旅行にも贅沢旅行にも適応できた)など、

到着の夜は夫とそんな話で盛り上がった。今回の出来事もいずれ未来のいつかの思い出話となるのだろう。ほとんどの会話はこのようなどうでもいいことばかり。どうでもいいことばかりなのだが、何もないと寂しい。忘れてしまうと残念。


8月の旅は娘も同行するので慎重にキャリーオンを荷造り(わたしは手ぶらで搭乗したい派なのだ)しなければなるまい...
2人でドレッドヘアはいやだなあ。


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