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原風景




友人カップルがブラッセルに引っ越したので、新居を訪問した。

高級住宅街として名高い地区である。

その地区の中でも特別リッチな住所にある(らしい)彼らの家の周辺風景は、神戸の山手を思わせた。
通りがすべて坂なのである。

小高い丘状態になった場所に、緑豊かな庭とドライブウェイのあるヴィラ風家屋が行儀よく並び...この辺りの住民の精神状態を表しているようである。


一方、わたしの住むフランダース地方はどこまで行けども真っ平な地形である。
高速を走っていると、はるか彼方の牧草地で草をはむ牛や羊の群れが見える。
まっすぐな地平線にそって、防風樹林が竹箒(たけぼうき)のように立ち、村の小さな教会のまわりに家屋がちょこちょこ集まっている眺め。



わたしは学部生時代、中東に留学していたことがあり、フランダースの平原は砂漠の無防備感と同じような感覚をもたらすのである。

それはそれでステキなのだが、
ああ、坂道!
山!
滝!

無尽蔵な財産があったら何に使いたいか、と言う質問に、「フランダース地方に山を造る」と答えたことがある...






まだ雪が溶けないブルージュ



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