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箪笥・長持ち・物持ち




ウォータールー通りのC店で店員さんに、「そのドレス、すごくステキ。いつのシーズンの?」と聞かれた。

はあ、10年前の...


10年前の夏、ヒューストンで急にカクテルドレスが必要になり(いつもは必ず夜用の服を一組は持っているのだが、娘を妊娠中だったので用意しなかったのだ)、C店に駆け込んで購入したのだった。胸の下から切り替えになっているデザインを選んだのは、出産後も着られるように普段と同じ34サイズが欲しいからだった。

丈が長過ぎたのを夜に間に合うよう数時間で直してもらい、おかげで今も着用している。


わたしは物持ちが非常によく、10年もの、20年ものの服も結構着ている。

ジャケットやコートは、肩、ラペル/襟、袖の大きさや形が古くさくなると着られないが、シンプルなワンピースやドレスなどは大丈夫。
靴も意外にデザインが古くなると目立つ。
パンツは腰の位置や幅などに微妙な変化があり、おしゃれの達人でないと難しいのではないだろうか。


先日驚いたのは、15年前に買った張りのある絹のドレスが、例えば古い大島のような手触りになっていたことである。これは生地が抜群に良いために起こる”大島現象”と考えていいのだろうか?あるいは単に古びたということだろうか?(日本人の美意識は古びたものを愛でる、というところにもあるのだが)



先の店員さん、「古くならないのがCの偉大なところなのよね~。いずれはお嬢ちゃまが着るんでしょうね~。」と言った。
そうなのだ。日々散財するたびに自分にそういい聞かせているので、着てもらわないと困る(笑)。

中には「アート」と割り切って購入した服もある。
実際に着て歩くには難しすぎるデザインだが、時代とデザイナーの才能の真髄としてどうしても所有したい欲に駆られて入手したものだ。飾っているわけではないので箪笥の肥、眼の保養以外の何ものでもない。でも服好きは時として「アート」に運命の巡り会いをしてしまうのだ。


「保存するなら、絶対吊るしちゃダメなのよ。寝かせて保管しないと。ほら、日本の着物を入れるタンスがあるでしょ? あれなんかいいわよね」
と教えてくれたのはパリの古着屋のマダムであった。


桐の和箪笥、憧れである。
デザインも優れているし、物持ちのいい者としてはいつかは一竿欲しい。
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