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40年




この7月、義理の両親が結婚40年を迎える。
めでたいことだ。


義理父が当日の計画をこっそり娘にもらしたところによると...

「オランダの国境の街Sluijs(ブルージュから車で20分程度)へのサイクリングを楽しみ、名物のウナギを食べ、プチ・ホテルに宿泊する」

彼はサプライズだから内緒に、と娘に言わなかったので、彼女は義理母にもわたしたちにも喜々として報告してくれた(笑)。

ところが問題が...


義理母、こっそり耳にしてしまったこの計画が最悪に気に入らないそうである(笑)。

彼女にしてみたら、近所の田舎街、しかも色気のかけらもないダッチ・タウン(フラマン人とオランダ人は隣人である故、犬猿の仲である)に、チャリで行くなんて最低!らしい(笑)。

まあ女性として彼女の気持が分からなくもないが、義理父の意図が40年以上前の青春時代をオマージュ、と言うのならばこれ以上ロマンティックなデートもなかろう。


義理母「開いた口がふさがらないわ」
わたし「い~え、とってもロマンティックよ(笑)」
義理母「Moetだってこれが結婚40年記念プレゼントだったら嫌なはず」
わたし「わたしは夫の教育に成功しているから、もらうプレゼントにはいつも自信があるのです」
義理母「...この間のクリスマス・プレゼントにわたしが何をもらったか覚えてる?ピエロの人形よ?!わたしだってあなたがもらったみたいなブレスレットを一度もらってみたいのよ!!」

たしかに彼女は赤い服を着たオルゴール付きの薄笑いピエロをもらっていた(笑)。


義理母は若々しく、とってもおしゃれ好きな「マダム」。義理父はインテリ、absent-minded professor。
彼女は昔の若い娘のように初心(うぶ)である一方、現実的。彼は実務的なことが得意な一方で、ロマンティック。
2人の趣味の違いときたら、彼女がうわさ話をする横で、彼はデリダを語る、という具合。接点なし。


そう言えばこの間、ティーン・エイジャーのお嬢ちゃまのおられる家庭で、雑誌Seventeenを見せてもらったところ、あの年齢の男女の精神年齢の格差はギャグかと思ったものだ。
これでもかとレクチャーしてある手紙の贈り方や会話や仕草の戦略。
そんなん喜ぶんは同年代の男子やなく、おっさんやろ。

しかし40年連れ添った夫婦間にもこんなギャップがありえるのか。
男女、共に相当無理をして互いにつき合っているのだな。



義理母はわたしたち夫婦に義理父の気持を他へ向けるよう(例えば彼女が気に入りのトスカーニャの貴族のヴィラ滞在とか)洗脳してくれ、と頼み込んでくる始末。
ワタクシに言わせれば、結婚記念日は夫から妻に何か捧げるだけの日ではないので、義母は自分の希望のデスティネーションを先手で予約し、義父へプレゼントすればカドもたたず、丸く治まると思うのだが...


彼女は箱入りマダムなもので、未だかつて1人で電車に乗ったこともなければ、切符の買い方も知らず、もちろん1人で首都に行ったこともなく、旅行など計画したこともない。

義理父は華やかにしたい女性の気持が全く感じ取れない。

お互いの責任だと思うのだが。40年間時間はあったのだもの。

いいじゃないの、幸せならば。か(笑)。







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