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ミネルバのふくろうは迫り来る黄昏に飛び立つ




ふくろう!

12世紀の遺跡の壁のなかで。

擬態しているよね?

まだこどもかしら
夜行性だもんね
しかし無防備な...

この場を離れられなかった。
かわいさに見惚れて、だけではなくて...

2頭のこれまた愛らしい犬がリードなしで走り回っており、ふくろうは地面から高さ30センチくらいの壁の窪みでお休み中だったからだ。
夫が犬の飼い主さんたちにふくろうがそこで眠っていると伝えると、「教えてくれてありがとう!」と、一件落着。

わたしは鳥類が好きだ。
犬族も。




ギリシャ神話において、ふくろうは女神アテーナーの象徴である(ローマ神話ではミネルヴァのふくろう)。

民話や童話においても、森の長老や知恵袋の役割としてのフクロウがしばしば登場し、西洋世界全体で知識、知恵、洞察力、博識の象徴となっている。

実際に知能は高そうなふくろうだが、「暗闇で見る能力」が知恵に結びつけられたのだとか。





さて、ふくろうが眠るこちらの場所はうちから車で30分ほどのご近所、ウェイバリー修道院の遺跡。

ウィンチェスター司教ウィリアム・ギファードによって1128年に設立されたイングランドで最初のシトー会修道院だった。
1128年というから、1066年のノルマン・コンクエスト(侵攻)の50年後である。
当然というか、最初の修道院長と12人の僧侶はフランスのノルマンディーから連れてこられたという。

修道院はしばしば飢餓や洪水に襲われ、貧しく、13世紀には無能な欠地王ジョン(リチャード獅子心王の弟ね)によって弾圧される。

1536年にヘンリー8世(奥さんを6人取り換えた王ね)の修道院解散の一環として解体され、その後徐々に建物が取り壊され、大部分の石材は地元の建物で再利用された。

一時期はこんなに(下写真)巨大な修道院複合施設だったらしい...




「ミネルバのふくろうは迫り来る黄昏に飛び立つ」ヘーゲル『法の哲学』

歴史的なできごとを適切に評価するのには時間がかかる、と。




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