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海外で東京オリンピック報道を見る



2020年3月22日に東京駅前で撮影したもの。
この数日後にイングランドへ戻り、翌日から一回目のロックダウン突入。
それ以来、入国後14日間の隔離が面倒で帰郷できていない...
オリンピック関係者は隔離なしなのに、ですよ!!



こちらの東京オリンピック関連ニュースで見かけるのが、

「東京オリンピックをきっかけに、新型コロナウイルス感染が広がるのを日本人は非常に恐れている!」

という報道だ。

長くて数分のニュース枠で、日本の世論を「新型コロナウイルスの感染拡大を恐れている」を強調して伝え、落としどころをつけるためだろうか、「オリンピック開催が、新型コロナ感染を日本国民に広める確率はきわめて低いのに、心配しすぎなのでは」というトーンになりがちである。

その言い方では一面しか伝わらないと思う。


新聞を読むと、日本の実情に沿った報道が多いことが分かるが、テレビのニュースや、特にスポーツの特集になるとBBCでさえも、アスリートや組織委員会やアドバイザリー・ボードなどの、いわゆる「オリンピックで直接利益を得る人」「関係者」「中の人」など、バイアスのかかった人に拡声器を持っていく。

そりゃあ、海外で出場が決まっている選手や、IOCの弁護士に話を聞きに行ったら、開催は妥当だと言うだろうよ...と昨夜もニュースを見ながら思ったのだった。
大変不公平だと感じる。
まるで日本人が大袈裟で感情的で、分からず屋みたいではないか。


日本の感染者や死者数はアジア内では高い方だが、欧米に比べると格段に低い。
人は自分たちのスタンダードでものを測る。欧米人にしたら、日本は感染者も死者数も低いのに、なぜそんなに反対するの? 予防も対策も万全だ(<バブルはもう破れているけど)と、委員会も言っているのに...いう感じなのだろう。

そしておそらく、外国人選手や外国人関係者は、自分たちが日本入国後の隔離期間や、日々の検査、ワクチン接種などで大変優遇されており、日本人の間ではワクチンの接種が予定よりも遅れ、この先の見通しすらつかず、病院が逼迫し、入院もできない人が多く出続けていること他を知らされてもいないのであろう。

子供が飢え、医療従事者が疲弊し、病気になっても入院もできない時に、誰がアスリートから勇気を「もらう」ものか。子供にどんな未来を「与える」と言うのか。


わたしは、日本の国民の不安や恐怖や怒りは、東京オリンピックがもたらすかもしれない新型コロナ感染拡大だけにあるのではなく、このような状況下でも、国民の健康や命より、一部の人と組織が得る利権の方が断然優先され続け、単なる私的なイベントが、民主的な手続きで止めることができないという不安と怒りにあると思っている。

国力というものは、世界的企業の数や富豪の多さ、あるいはGDP、ましてやコンビニに並ぶ商品の数ではかられるのではなく、最も弱い人がいかに尊厳を持って生きられるかにある。


BBCにも投書をしておいたが、どなたか読んでくれているのかしら。
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