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霧に沈む花の都・ゲント



ゲントの聖バーフ大聖堂にあるファン・エイク兄弟の『神秘の子羊』に召命を受けたように感じていると前回書いた。

おそらく、優れた芸術作品に欠くことのできないひとつの要素とは、不特定多数の人が、「この作品はわたしに対して個人的なメッセージを送っている」という一種の「勘違い」や「思い込み」をしてしまい、そこから「そのメッセージとは何か」と勝手に探究を始めてしまうことだと思う。

わたしはまずは岡部紘三『フランドルの祭壇画』を再読しようと思っている。


そのようなことを霧に沈むこの美しい街の写真を眺めながら思った。
ゲントの中心部に残る、15世紀前後の絢爛な建築群は、傑作絵画やタペストリー、音楽(フランダースはブルゴーニュ楽派、フランダース楽派が次の世代の音楽を準備した)などと共に、この地が文字通りかつて「世界の中心」として栄えた記念碑である。それぞれが複雑なタペストリーの糸のよう。





友達が訪ロンドン中に会うため、昨日ベルギーから英国へ戻って来た。
夕食後、ロンドンのバアをはしごしたのだが、ベルギーから戻って来たばかりだと特に、ロンドンの繁華街の持つ無国籍感に驚く。

今日は家で洗濯とアイロンがけをして、次はオートクチュールの都へ...
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