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このホテルから始まり、このホテルで終わる




そしてまた始まる。


この週末はハンプシャー州にあるフォーシーズンに来ている。

思えば、英国暮らしの全てはここから始まった。


2011年の夏休み前に夫のロンドン移動が決まり、娘が9月から中学一年生で学校生活を始められるよう、まず学校を探し始めた。

業者に「上位ランキング30位以内の学校しか考えていない」と希望を出したら、すんなりその通りにはなったが、家探しは難航した。

入学の試験と面接を受けるためにベルギーからやって来て、合格が出た時点で居心地の良さそうなこのホテルに長期で宿を取り、夫がロンドンに通える範囲で家を探し始めたのだった。

今もなーんにも分かっちゃいないけど、7年前はもっと、不憫なほど何も分かっていなかった。

例えば、学校までこのホテルから車で30分もかかるので、当時のわれわれの地理音痴が笑える。


あれから7年の月日が流れ、今週、娘は11歳で入学した私立女子一貫校を卒業した。

それでセンチメンタルに「このホテルから始まった」彼女の7年間の学校生活を「このホテルで終わり」にして寿いでいるのだ。

まずは7年間のすべての出来事、すべての人に心の底から感謝したい。
娘にも、自分の努力だけでなく、周りに恵まれ、引きたててもらってきたことに気がついてほしい。


7年の間にこのホテルも少し変わってしまった。

レセプションの場所が変わり、レストランも以前はメイン・ダイニングとビストロとバアに分かれていて、特にメイン・ダイニングは優雅な雰囲気だったのに次第に形を変え、今ではファミレスか道路脇のパブみたいな雰囲気になってしまった。

写真は2011年の夏、滞在中にクローケーをして遊ぶ娘。11歳。ボンポワンのドレスとカーディガンを着ている。ボンポワンを着なくなったのはいつの頃だったか...ああ、こんなに可愛い人だったのになあ。あの人はどこに行ってしまったんだろうなあ。


写真の中に残る7年前の様子...こんな欠落感がかえって人生を美しく豊かにするのかもしれない。
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