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Brugge Style
modigliani@tate modern
先日、「初詣」の楽しみの話を書いたが、テイト・モダンの「モディリアーニ展」へ行ってきた。
わたしのような卑小な人間の想像なんぞはるかに超えたすばらしい作品の数々、ほんとうにいい展覧会だった。
どこから始めたらいいだろう?
セザンヌの影響を強く受けつつ、モディリアーニが自分のスタイルを確立した過程のおもしろさ。
彼が肖像画に瞳を書き込まないのは「彫刻」をやったからで、またブランクーシと交流、影響があったから(というのは知っていたが)。
彫刻を止めた理由は、素材の高価さ以外に、彼の極めた肖像画の特徴的な顔と鼻の形を再現するのには、2次元の方が手っ取り早かったからだろうという洞察。
そのモディリアーニの描く肖像の鼻が、どれもこれもむやみに長いのは表現上の誇張だろうと思っていたのだが、展覧会場の観覧者たちを見渡してみたら、なるほど、彼らの顔と鼻はこのようにも描けるのだなと納得。
心に残るいい肖像画はたくさんあった(というか全部)が、ジャン・コクトーを描き、その存在そのものをいかにも痛烈に風刺、コクトーに「僕には似てないがモディリアーニに似ている」と負け惜しみを言わせたという(右写真)。
痛快!
あの誰よりもプライドの高そうなコクトーが、自分自身をずばり言い当てられて平静さを失い、うろたえ、怒ったのが目に見えるようだ。
有名人ではピカソの肖像画もすばらしい。
有名なヌード群も、「モダン」な女性たちの「モダン」さの表現がすばらしかった。
ナショナル・ポートレイト・ギャラリーでやっている「セザンヌの肖像画展」と合わせて観覧したらもっとおもしろいこと間違いなし。
両方ともほんっとにおすすめです。
モディリアーニ、彼のファーストネームはアメデオといい、これは「神に愛された者」の意(モーツアルトもアマデウスですね)。まさにその通り!!
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