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Brugge Style
swan lake in-the-round
イングリッシュ・ナショナル・バレエのSwan Lake in-the-round。
「白鳥の湖」を円形のロイヤル・アルバート・ホールのアリーナで演じる。
観客がアリーナの円を取り巻くように座っているため、360度で見せることになり、群舞も通常の2倍の数はいるのが特徴だ。
数年前にも今回と同じ設定で見、同じ感想を持ったのだった。
「もう見ん...」
というのは、このバレエは普段バレエを見ない人たちのために制作されたショウであろうからだ。
例えが悪いかもしれないが、BBCプロムやウィーンフィルのニューイヤーコンサートとかそういう種類のもの...
それが悪いと言っているのではない。
こういうきっかけで、今までバレエを見たこともない人が、今まで知らなかった類の感動を経験する...それを想像しただけでも武者震いが来る。
バレエ界も、その存続のためには新しいファンを獲得しなければならないし、バレエの観客層が厚くなることによって、優れたダンサーがあらゆる形の報酬を受け取り、新しい世代を育て、金にならないことを心配する必要なく実験的なアート・フォームを創造することができたらいいと、単なる末端ファンのわたしですら願っている。
上から目線爆発!
と感じられるかもしれないが、わたしにとっても世界は知らない、あるいは存在することさえ知らないものごとばかりで成り立っている。
わたしは、例えば現代日本のポップスやテレビドラマ、例えばミュージカル、サッカー...には全く興味がないが、ファンを熱狂させる何かがあるとは確信している。
ちょっと体験してみようかなあと思った時に、主体側も熱いファンらも、新参者をわかりやすい言葉で温かく迎えてくれたらうれしい。
で、まあいろいろな理由でわたしはもう見に行かないだろうなと思っていたのだったが、ご招待いただいた日がたまたまアリーナ・コジョカルがオデット・オディールを演じる日で、しかも上等な席と聞けば行くしかない。行くしかない!
ああ、コジョカルーう!
オーケストラは素晴らしかった。
音響もすばらしかった。
舞台装置は会場の形態と広さの関係もあって、お粗末感が拭えなかったが、そこはコールドバレエの人数の多さでカバーというところか。
そしてやはり残念ながら、コジョカルレベルを配役するのは才能の無駄遣いやんか、という気がしてギリギリ歯噛み...
前回、彼女がオデット・オディールを踊ったのを見たヴァシリエフとの公演の時とは、だいたい次元からして違っていた。
振り付けは、おそらく舞台が普段の2倍ということもあり、体力消耗を防ぐためか何なのか(舞台映えのためとは思えないなあ)かなり簡略化されているのだが、それがケーキを食べたら中が焼きメレンゲだった、みたいながっかり感満載...
......
そういえば、先月見たイングリッシュ・ナショナル・バレエのEmerging Dancerにも出場してらした金原里奈さんも出ておられ、王子の花嫁候補役の時の動きの的確さと優雅さに注目。彼女は絶対に出世なさると思います!
期待の美しき新星!
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