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Brugge Style
魔法を失った人
魔法を失った人...
14歳の娘がわたしをそう呼ぶ。
とにかく売れたらいい、という路線で作られているもの(クリスマス等の行事にからめてお金を使わせるものから、子供に次々コレクションさせるおもちゃのシリーズまで様々)は、たいていめちゃくちゃ可愛い顔をしているけれど、乗せられすぎて散財しないように。
流行りの曲の歌詞があまりにクサくはないでしょうか...(例えば「愛」とストレートに歌詞にしてしまっては歌というアートがもったいないと思うのである。「愛」という単語を使うことなしに、聴き手に「愛だ」と思わせることが歌なのではないか?)
などから、
諦めず努力すればどんな夢でも叶うというのは信じない方がいいです(ただ、諦めたらその時点でもう夢は叶わないけど)。
人間に生まれつき備わっている使命や人生の意味などは多分ありません(ヘーゲルも、人間は「労働」を通じてそれぞれが自己の本質を顕在化するのであり、労働に先立って人間の本質が実在するのではないと言った)。
ようなことまで。
このような「夢のない」(身も蓋もないと言った方がいいか)ことを言うと、娘は愉快でたまらないという表情で「ママはマグル!」と言うのだ。
マグルとはハリーポッターの中で、純血主義の魔法使いが人間を蔑んで呼ぶ代名詞だそうな(今ではオクスフォード英語辞典にも載っているらしい)。もちろんこの記事を機に調べた。
つまり娘は、自分の母親は完全に夢を失い、魔法を信じない/使えないつまらない大人だと言っているわけだ。
うーむ。核心をつかれてしまった。いったいわたしはいつ夢や魔法を信じる心を失ったのだろうか。寂しい。
そこでわたしは言う。
「でもさ、わたしがキャンディ色のドレスにキラッキラする透明のジュエリーを合わせて、ルブタンを履いたら、あなたのお友達が『なんて綺麗なママなんでしょう!』と、だまされたように言ってくれる、それはわたしが魔法使いである証拠じゃないですか」
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