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bureau des voyages de la jeunesse








直訳すると青少年旅行事務所...
何だか夢がありませんか。
青春18きっぷとか、そのたぐいですな。
自分のための時間がたっぷりあり、自分のことだけを考え、出会いと発見と成長を求めつつ、いつか帰還する旅に出る。

カフカやボルヘスやの小説に「青少年旅行事務所」という看板が掲げた事務所が登場したら...たぶん途方もない経験をさせられることになるだろう。星新一ならここで素早くショートショートのひとつでも書き上げてしまいそうだ。
真っ暗になる寸前のパリの路地(やはりカルチェ・ラタン辺りがいいだろう)、こつ然と現れる「中年旅行事務所」。疲れた顔をしたエヌ氏が歩いてくる...

中年36きっぷや、54きっぷも売れそうだという話はよく聞く。これを持って長距離電車でゆっくり旅に出たい中年はエヌ氏だけではないはずだ。
この年頃の人には青春にはたっぷりある時間がなさそうだし、何割かの人々は旅に出たまま帰って来なさそうな...「中年旅行事務所」の扉を開けた人もまたこちら側には戻って来ない...


看板の意匠の話を書こうと思ったのに中年の旅の話になってしまいました。
わたしもまた疲れているのだろうか。疲れているからこそ変化が欲しいのだろうか。そうに違いない。
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