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ドン・キホーテの夜




ここ何年かで一番のバレエ公演を見てしまった。

ミハイロフスキー・バレエ (The Mikhailovsky Ballet) 公演でロンドン・コロセウムに来英しているナタリア・オシポワ (Natalia Osipova) と、イヴァン・ワシリエフ (Ivan Vasiliev) のドン・キホーテ。

観客をこれほど熱狂させるのを目撃するのは初めてかもしれない...と思うほどの盛り上がり方で終始した。

劇場の建物が共鳴するほどに踊り手も観客もすべてが喜びに沸き立ち、オシポワのタレントとワシリエフの驚異の跳躍力、脇を固める踊り手のレベルの高さと相まって、まさにローマ時代の「コロセウム」の高揚はこんなだったのではないかと感じた。


ドン・キホーテのキトリは、まあだいたい誰が踊っても魅力的なキャラクターではある。だがオシポワのキトリ、こんなにも魅力的なキトリは他に見たことがない。ブルージュの映画館でオシポワを最初に見た時、彼女にはこういう強い「陽」なキャラクターが合っていると確信したもので、うむ、十八番とはこういうことを言うのだな!

先日のセミノワは写真も実物もあまり変わらない美しい容姿だったが、オプシワは写真やDVDで見るよりずっとずっと華奢で細くて綺麗だった。ボリショイを去ったことと、まだ26歳という若さ、今後が滅茶苦茶楽しみなのである。


わたしは『「元気をもらいました」「感動を与えたい」』撲滅委員会の熱心な会員だから、「感動をもらいました」とは死んでも言いたくない。でも、この日の夕方あまりおもしろくないことがあったのもふっとんで上機嫌になりましたよ、ええほんとに。

世界の都ロンドン...東西南北、世界最高峰の芸術を引き寄せるこの都のそばに住むことができて、バレエ鑑賞に限ってはこの上もない幸せを享受していると思う。
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