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Brugge Style
幸せの島
先日、今年の夏休み第一弾の計画を練っている時、奇妙なことに気がついた。
13歳の娘には「行ったことのないところに行ってみたい」という欲望がひとかけらもないのだ。
彼女にどこに行きたいかと聞くと、去年行ったアンギラか、何年も前に行ったシチリア、インドネシア、モーリシャス...にまた行きたいとばかり繰り返す。
「また行きたい」。
メディアを通してグレイトバリアリーフでシュールなスキューバダイビングができることや、アフリカでジープに乗っているわたしの写真を見てわくわくしたりはするようなのに、次の旅行先候補には絶対に挙がって来ない。
わたしはこの人は世界中を旅行している割には「自分ー世界」が限られていて幼いなあと感じる。でももしかしたらこれこそが「子供は現実的である」という所以なのかもしれない。
大人は子供が想像の翼に乗ってどこまでも飛んで行けるような気がしているが、それはまさしく「想像の」世界の中のみであり、彼らは今見えているもの聞こえているもの感じているもの嗅いでいるものこそをよりどころにし、自分の実体験を絶対重視する鉄板リアリストなのである。
これが行ったこともないパリに憧れて「あたし前世はパリジェンヌだったと思うの。パリにいつか帰りたい」などとブログに書き出したら大人なのか(笑)。
あるいは「ここではないどこか」に行きたいと言い出したら人生に疲れた兆候であるとか、被虐待のサインであるとか考えていいのだろうか。
いや、冗談はさておき...もっとも、お利口で現実世界に対しても想像力が豊かなお子さんもおられると思うので誤解なきよう。
大人でかつ人生に疲れているわたしは夏休み第二弾はアブダビに行きたいと家族に話した。いよいよ整って来たアブダビのサディヤット島、「幸せの島」で最先端の建築群を見学したいのだ。
フランク・ゲーリー(<大好き)のグッゲンハイムにジャン・ヌーベルのルーヴル、ザハ・ハディットのパフォーミング・アート・センター、ノーマン・フォスターの国立博物館、そしてわれらが安藤忠雄の海洋博物館...すごくないですか、この夢の島! いや、幸せの島!
しかし、あの鳴り物入りで紹介されたルーブル別館が2014年開館(一説では2015年)らしい。では来年の夏の方がいいのか...と思って調べたら、グッゲンハイムも完成予定が2017年なんですね! まだまだ早すぎるではないか。
写真は前回アブダビを訪れた、たしか2008年の写真。遠くに見える埋め立て途上がたぶんサディヤット島の現場だったと聞いた(と記憶)。
ひょっとしたら、まだありもしない「幸せの島」であれもしたいこれも見たいとどんどん欲望がわいて来るわたしの方が変なのかもしれない。
大人にとっては遠い未来に約束された幻の場所が「幸せの島」で、子供にとっての「幸せの島」は今ここ、あるいは幸せな思い出の場所...
「幸せの島」という名、アラビア語だからいいが、なんだか「夢の島」を連想させ切なくなる。
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