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foin coupe




ある日、ロンドンの百貨店セルフリッジでぶらぶらしていたら、娘がちょっと来てくれと言う。

彼女はディプティクのキャンドルをわたしの鼻先に持って来て「これ、よく知ってる香りなんだけど」と。
もちろん、わたしはそれが何かすぐに分かった。

干し草の香り。

この香りは娘が誕生する前から彼女の部屋で炊いていた香りなのだ。
アルプスの少女ハイジがおじいさんに綿の大きな白シーツでくるんでもらった干し草のベッドで眠る幸せ、サンクチュアリとしての寝床...そのイメージで選んだのだった。

娘が自力で動くようになってからは子ども部屋でろうそくを灯さなくなったのだが、ベビーベッドやマットレス、タオル地のぬいぐるみにもランプシェードにも全部この匂いが染み付いていたのだ。

彼女は「一瞬赤ちゃんにもどったような気がした」とプルーストのようなことを言った。

夫がその話に感動して、このところ娘が部屋で使っている fuguier と入れ替えるようにと買ってくれた。
干し草の香り、foin coupe 。


幸せな思い出とむすびついている香り。



(白鳥の家族はドイツのおもちゃ、シュライヒのもので、コレクターである娘の部屋のキャビネットの一角は動物農場状態。リアルな動物の姿が愛らしくて見飽きない)

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