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あれから1年




今日は「へーすごいねー(棒)」のうっとうしい内容...かもです。ご注意。



たった今、娘を学校に送って来た。
今日は一年最後の日でミサがあり、明日からは9月中旬までの長い夏休みが始まる。
校門周辺で軽い渋滞が起きていたのは、今日で卒業する6th Form(日本の高等学校に相当する2年間)のお姉さん達が仮装をして入って来る車一台一台に水鉄砲やバケツで水をかけたり、花吹雪を散らし、ラッパを吹き鳴らしているせいだった。

卒業式がどのように行われているのかは知らないが、先週末は1年間のシメの式とパーティが催され、それが締めくくりのアッセンブリーとなった。

早朝の夏の日差しに輝く卒業生のお嬢さんたちを見ていると、もうはや鼻の奥がじーんとなる。ああ、自分の娘の番が回って来た日にゃ、わたしは何枚のハンカチと何回の化粧直しを必要とすることだろうか。


夫の英国転勤が決定し、娘がこの学校に受験に来たのは去年2011年の7月。
ああ、あれから一年も経ったんだなあ...早っ!


英国の教育システムはベルギーのそれとは著しく異なっていて、「いい学校」に入るハードルがかなり高いと聞いていたことから、住まいよりも中1に進学する娘の学校選びを優先順位の一位にした。

「奇跡のような」と皆に言われた縁があり、英国の女子校で片手の指に入るという有名私立校に進学が決まった。
3日間で入試を準備しようとしたこと、娘に英国の学校に行くのは嫌だと半泣きで愚図られたこと、わたしが面接に着ていくような地味なスーツを持っていないとおろおろしたことなど、今では思い出である。


進学する中学校が決まってからも親としての不安はあった。
娘はこの時点で英会話はできたが、一度も英語の学校には行ったことがなく(生まれ育ったブルージュでは幼稚園からずっとオランダ語の現地校に通っていた)、受験をくぐり抜けて来た他の英国人とはレベルが雲泥の差だろうこと。
日常会話で必要な英語力と授業内容理解で必要な英語力は違う。だから授業についていけるのか、ノートを取ったりエッセイを書いたりできるのか...宿題や試験はほとんどすべて「説明せよ」「評価せよ」等の記述式なのである。
また英国は階層がすっぱり分かれている社会だ。裕福でしかも勉強ができるプライドの高そうな白人女子が9割を占める学校で、妙な英語を話し、英国の慣習を理解せず、風貌も和風な彼女が不自由を感じないかということ。

わたしがそれでも娘を勇気づけられたのは「ダメだったらベルギーに帰ればいい」と本気で思っていたからだ。

しかしそんな母親の不安をよそに、第一日目から「学校大好き!」と喜びにジャンプするほどだった彼女は、瞬く間にポッシュなアクセントを身に付け、親友ができ、いくつかのコンサートやコンテストでピアノを演奏して高等部のお姉さん達にもかわいがってもらい、演劇や美術で表彰されたりもした(その一方で何度か「ブルージュに帰りたい!」と大泣きされたこともあった...)。
どんな環境にも順応でき友だちを作れる能力の重視は、ちょうど1年前にも書いたが「偏見のない広い心とお行儀のよさ」通りのうちの家訓(笑)なのである。


先日、学年末の試験の結果が出るとともに懇談会があった。
学習教科すべての先生と5分ずつ懇談しなければならないのだ。ワイン片手に20人以上の先生と...最後はグタグタだったが。
結果はすべてA以上の成績だった。また外国語学習の特別クラスに招待され、来たるラテン語スピーチコンテストの代表に選ばれた。これは彼女の自尊心にとって大変な褒美になった。



相変わらず英国の飯はまずいし(笑)、天気はさえない。
ロンドンに行く道はいつも混んでいるし、物価は高い(笑)。
永住しても良いと思うような街にも巡り逢わないし、満足のいく家も見つかっていない。

しかし、子どもが日々幸せであることに較べたらそんなことが何だというのだろう。

いつか社会的に成熟し、まずは受け入れてくれたこの学校に恩返しができるよう、英国でもベルギーでもまた他のどんな社会にあってもそれを支えて行ける市民の一人に成長してくれるよう心から願う。


最後に式の日に卒業生が透き通るような声でコーラスしたチャーリー・チャップリンの ”Smile” を、今がんばっている人、真っ暗な部屋の中にいるような気がする人、また自分をほめてやりたい人、すべての人に捧げます(Youtube でたくさんでてきます)。



暑苦しい自慢話で失礼いたしました。

明日から夏休みです。
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