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英国と言えば...フィッシュ・アンド・チップス




わたしが初めてフィッシュ・アンド・チップスを食べたのは英国でではなく、南アフリカでだった。

英国ナイズされた瀟酒な街角を持つダーバンで。

椰子の木のある市庁舎。その近くの白い屋台。空は抜けるように青く、人通りが多く、わたしは若くて自由だった(<ような気がする・笑)。

日本から遠く離れているせいだろうか、自分との縁がすべて切れてしまったようで、まるで自分がその日暮らしをしているような、あるいは明日死ぬつもりでいるような、そんな気になった。

遠くにいるといっても空から地球を眺めているわけではないのにどうして「遠い」と感じられるのか分からない。
でも「大陸の南の果てにいる」という実感は、地図上で見た「距離の長さ」という視覚が元になっているだけではなく、確かに身体がそう感じているから不思議だ。
一方で例えば中東も文化的には日本から遠い国だが、留学中も世界の果てに来たという類いの不安感がなかったのはなぜなのだろう。


フィッシュ・アンド・チップスを屋台で買うと(10月に引っ越して来て以来一度しか屋台で食べていないが)あのダーバンでの奇妙な「糸の切れたタコ、この先には行き場がない」感じを思い出す。

厚めの衣が黄金色に揚がった白身魚に酢をかけて食べるスタイルは日本人の味覚に合う。
酸っぱいもの好きのわたしは茶色の穀物酢をびしゃびしゃになるほどつけて食べるのが好きだ。かけすぎてマリネ風(笑)。

屋台での買い食いもいいが、英国パブには必ずあるこのメニュー、着席して食べるとマッシュしたグリーンピースがついてくるのがいい。わたしはミント風味のが好き。


(写真はキングストンというロンドン郊外の街のレストランで週末。夫撮影)

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