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屋根裏の怪




わが居住エリアは、じめじめしたクモ屋敷たる地下セラーと、ほこり屋敷たる屋根裏部屋に挟まれている。

風水的に問題がありそうだが大丈夫なのだろうか。

わたしが冴えなのはこの環境のせいなのではないだろうか。でも取り除かないね。だって取り除いても冴えなかったら、冴えないのは自分のせいであるということを認めざるを得ないから。


地下セラーは、ワインボトルを補充しても補充しても決していっぱいにならないので、ワイン好きの大蜘蛛が住んでいると想定されている。
反対に屋根裏部屋には、思い出の品々や、得体の知れないパーツや、電化製品の箱などが秋の運河の底に溜まる枯葉のように堆積しており、妖怪ほこり吹きが今日もほこりを噴射していると思われる。



先日、屋根裏の箱にコンセントのエクステンションを戻しに行った時に、蛇腹のようなものが目に入った。すは、大蛇でも引っ越して来たのか。

よく眼をこらして見ると、それは箱に立てて並べてある夫の大量のLPコレクションだった。
ポール・サイモン、デヴィッド・ボウイ、プリンス、モーツアルト...
夫の青春。
妖怪「青春の思い出」。これは甘美で恐ろしい雪女のようなものであろう。




わたしが小学生の頃、生まれて始めて自分のために買ったLPは、チャイコフスキーのバレエ組曲3枚組だった。
他には何があったか知らん。


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