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今年の聖血祭は




昨今、連鎖的に暴かれたカトリック教会の性虐待スキャンダルは、遂にわがブルージュ地区の司祭をも辞職に追いやった。


現代の聖職者が堕落しているというよりも、教会的な知識と権威の独占、ハイエラルキーは、自ずとパワハラを呼ぶと思うのだがどうだろう。

ちなみに、今後、お天道様の下を歩けないであろうこの元司祭は、現在、ビール作りで有名なある僧院でかくまわれているそうである。




ところで今日は、ブルージュの三大祭り(?)の一つ、「聖血祭」がとり行われる晴れの日である(聖血祭の歴史と由来についてはこちら「聖血祭の由来とお話」をご覧下さい)。
しかし当局は、今年のパレードには司祭を含むカトリック聖職者の参列は一切ない、と発表した。

白い眼、いや、生卵をぶつけられる恐れがあるからだろうか。



聖血祭は、ブルージュのブルグ広場にある聖血礼拝堂に安置されている「キリストの血をしみ込ませた布」というギミックを本尊とし、キリストの生涯をたどる芝居を組み込んだパレードを粛々と行う。その行事においてカトリック司祭の存在はギミックの正当性を保証する証人となるのである。

葵祭の斎王か、エレクトリカル・パレード(<見たことないけど)のミッキーか、ダイヤモンドの鑑定書か、コーヒーに入れるクリープか、まあそんな重要な「感じ」の存在なのだ。

つまり司祭がパレードに参加しないということは...キリスト教世界においては尋常じゃない訳です。



わたしはパレードを観に行くつもりはないが(この日は徒歩圏にじっとしているのが得策)、どんな雰囲気になるのだろう...血祭り?いやいや、聖血祭り。


十字架を背負って歩くジーザス役の人の十字架は今年は特に重く見えそうだ。




ギミックと書いたが、わたしはキリスト教には敬意を払っている。ただ、布を拝む必要はない、と思うだけである。布などを拝むように誘導することが、つまりパワハラを招くのではないかと思う。

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