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Brugge Style
虚しきラブレター
ポストに切手なし宛名なしの手紙が入っていた。
それはたしかに
「日本人女性に」宛てたラブレターであった。
ブルージュに住んで10年経、こういう類いの手紙をもらうのはこれでたぶん5回目だ(ちゃんと数えている)。2年に一回か。しなびた中年女にしてはなかなかの成績である。
わたしの語学の先生もおっしゃっていたが、ベルギー人はなかなかシャイで、面と向かって気持ちを伝えるのが大変苦手なのだそうだ。そこで手紙か。
へええ~。
...などと喜ぶほどわたしはお人好しではない。
夫に見せびらかして注意喚起(欲望とは他人の欲望であるからして)の打ち上げ花火に利用することは忘れないが、アホ臭いことこの上ないと思っている。
なぜなら、話したこともない相手にラブレターを送るなぞ、全身妄想でできあがった中学生ならともかく、まともな中年がまともにすることではないからだ。たとえ恋が盲目であり、雷に打たれるように突然やってくるとしてもだ。つまり、このラブレターはわたし個人宛ではないのが確実。どこの誰が万人に宛てたラブレターをもらって喜ぶだろうか。
たぶん、日本人女性最高!と、マンガや映画などの情報で妄想を無菌培養した人間が、通りでたまたま見かけた日本人女性(わたし)に適当に手紙を書いたと。そういうことだろう。こういう人物は日本人女性を見かけるたびに、見境なく手紙を書くに違いない。大したマメさである。
第一わたしは「日本人と付き合いたい!」「結婚するなら日本人がいい!」と、最初から対象を絞っているような男はご免だ。わたし個人を見る前に、どこの国の人かと見る視線は、決してわたし個人にまで届かない。
わたし個人に宛てられていないメッセージは虚しい。
今度同じような手紙をもらったら
「財産持ってる?」
という下劣な返事を書いてやろうと思う。
わたしに向けられていないメッセージに対しては相手自身にも向けられていないメッセージで報復。
と言うか、相手にするなって(笑)。
それで「財産?持ってます。」という返事が来て、事実だったら、それはそのとき考えよう、という楽しみは取っておこう(笑)。
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