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女の子の夢




わたしの友人の中では最も若い人が、日本から欧州へ旅行に来て、ブルージュにも一泊してくれた。
トシの差...えっと母娘でもおかしくないかもです。ただしわたしが中卒ヤンママだったら。


彼女は活動的で優秀で学歴豪華で、でもそれとは正反対のわたしと話が合うのは、おそらく家庭で教えられたことが似ているからだ。たぶん。わたしは若い頃、「若いのに趣味が渋いですな」としばしば言われたが、彼女もそう言われているだろうと思う。


24歳の彼女から、周囲が結婚ブームであると言う話を聞いた。
不景気であるということはこれほども結婚の動機付けになるのか、という話が弾み、バブル世代としてはなんとなく切なかった。まあバブル世代が何か残せるなんて誰も期待していなかったろうけど。泡なんだし(笑)。


わたしたちの世代は世間や親や学校から
「女性も仕事を持て」
「女性は手に職を」
「女性も家庭以外に生き甲斐を持て」
「自己実現を」
などと、経済的、アイデンティティー的自立を促されてきた世代だ(一方では「上昇婚して幸せになるべし」というエシックも頑強に残っていた)。
それはそのままわたしたちの母親の世代の理想で、彼らは自分たちの子に叶わなかった夢を託そうとしたのだ。


その結果、才能にも後見にも恵まれて「わたしにしかできない仕事」を持った人たちもいるし(独身もいれば兼業主婦もいる)、海外留学や仕事などを経験し、お稽古ごとをし、遊び回り、要領よく裕福な専業主婦になった人たちもいれば、「経済的に自立していれば違う人生を送れたのに」と後悔している人もいる。あ、忘れてはいけない。未だに「自分探し」をしている人もいる。

今の24歳前後の若く優秀なお嬢さん方の多くが、結婚して主婦になりたいと願うとしたら、それはわれわれの世代が、ある意味、女性の社会進出地位向上にさほど貢献できなかったということでもあるだろう。
そう思うと切ないのだ。



少し前のことだが、中学生のお嬢さん方を持つ人たちと話している際、何人かの母親がきっぱりと
「大学を出たらいい会社に就職して、そこでいい旦那さんを見つけてくれたらいいわ」
「保母さんになりたいらしいの。2、3年仕事をしたら、幸せな結婚をして主婦になって欲しいわ」
と言った。

わたしは、たいへんお門違いなのかもしれないが、ショックで言葉が出てこなかったほどだ。

なぜかというと、20年程前に徐々に浸透し始めた、女性の社会進出に対する人々の意識や、社会での地位と待遇、本人たちの充実度はどんどん進化し続け、今では我々の時代よりもより多くの女の子たちが、学校を出たら「やりがいのある仕事(もっと詳しく言うなら専門職)」に就きたいと『自然に』思うようになっているだろう、専業主婦志望者は圧倒的に減るだろう、社会はより住みやすく生き生きしているだろう、と何の根拠もなしに信じていたからだった。

なんというライプニツ的楽観主義者よ。わたくしは。


娘は今、わたしが夢見たとそっくり同じに研究職に就くことを希望しているが、もし20年後、彼女がブルージュに留まり、専業主婦になると決めたとしたら、その時わたしは豆鉄砲を食らったように驚くのか。



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