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運命の人




夫の親友のアメリカ人が「Moet、ボクは来年40歳だよ」と、オーク・ドアのカウンター席で嘆くように言う。


オーク・ドアのカウンターは、いつも感じがいい程度に混み合っている。
ウエイターの動きはきびきびとしかもさりげなく、こういう打ち明け話を聞くのにはうってつけの場所である。
わたしは恋愛に絡むあれやこれやを(無責任に)聞き流すのは結構好きだ。


彼が数年前に当時のガールフレンドと別れた時、スペイン聖地に巡礼に行ったほど傷心だったというのはわたしも知っていて,,,

あれから彼は「運命の女」を探し続けているらしい。


見た目も良いし豊かだし気が利くし、かなりモテるだけに、嗚呼、彼の理想はどんどん高くなって行くのだ。
先日もロンドンで出会った女がアムステルダムで仕事中の彼を追って来たとか来ないとか。
わたしも日本でさりげなく友人を紹介したことがあるが...どうも進展はなかったようだ。


彼はいろいろな女に出会って楽しい思いをしたいわけではない。ただ1人の運命の女を探している。
しかし、出会いはたくさんあれど、彼の理想にかなう女はいないのだ。


「問題はね、初めての出会いの時点で『完璧な女性』と恋に落ちて、『完璧な関係』を一瞬にして実現できると思っていることだよ。完璧な関係は二人で一生かけて築き上げて行くものだよ。」

と、わたしたちの会話に参加してきたわが夫が言う。

あなた結婚生活でずいぶん学んだのねえ(笑)。


「運命の人」など(おそらく)幻想だけれど、運命の人だと思ってもいいかなという程度の人はまあまあの数いる、というのがワタクシの持論。

体力があるうちは、「運命の人」を探して回るのも実はかなり楽しいものなのである。


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