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タニザキジュンイチロウな午後




ブラッセルの午後。


1人でお茶をしながら谷崎を読んでいると(公共の場で、あるジャンルの谷崎が読めるというのは外国暮らしのいいところ)、居合わせた男性が「シツレイデスガ、タニザキ・ジュンイチロウデスネ。ワタシモダイスキデス。」と話しかけてきた。

新潮文庫の小さい日本語活字を読み取ることができるとは。

日本文学を研究しているそうで、大の日本好きでもあるとのことだ。


「日本びいき」と聞くと、たとえ谷崎好みの風雅な男であろうが、アニメ大好きオタク男であろうが、ひく体勢に入ってしまうのだが...短い会話はそれなりに楽しかった(笑)。


普段生活していて、映画のワンシーンになりそうな、あるいは小説の挿話になりそうな出来事って、よく起る。

妄想たくましいワタクシが、もし映画をつくるとしたら、この上記の場面は、すごくロマンティックな場面になるだろう。この「タニザキのわかる西洋人男性」、そりゃあ「ええ男」になって登場するんでしょうなあ。

彼の役は...
ジョージ・クルーニーではとても文学者には見えないし(やり手の弁護士かエグゼクティブにしか見えん)、やはりちょっとぼ~っとしたところのあるキアヌ・リーブスくらいに演じてもらおうではないか、などと思う。

アホである。




写真は谷崎にちなんで日本の桜。
桜宮で撮影した。
なんと優雅な地名なのだろう。
現実にはキッチュなものが連立するこの界隈だが...

ここには親友が住んでいる。



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