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Brugge Style
神戸本
エル・マガジンが出した「神戸本」が届いた。
95年の震災以来ほとんど海外に住んでいるし、近頃は一時帰国中も実家のある場所はともかく、様変わりした三ノ宮周辺には意図的に寄り付かないようにしている。
別れてからすっかり変わってしまったらしい男にあまり会いたくないような感じで、とでも言えばいいのか。
妹を含めた友人達も結婚や就職で関東地方や大阪、西宮に移住した人が増えた、というのも理由の一つかもしれない。
さて神戸本、胸躍らせてページを繰るも、わたしが知っていた店はほとんど掲載されておらず、ぜんっぜん知らないお店ばっかり!
ノスタルジックな気分に浸ろうと思ったのに...
例えばサンセット通りから生田ロードに入る角2階にあった、かっこいい神戸マダムの和食屋、
生田警察のそばにあったカウンターの長いバア、
北野の山のすそ、月日の名前のついたティー・ルームとか、「白い天使」という名の雑貨屋、
神戸独特の珈琲屋、スポーツ・バア...
しょっちゅう通っていたのに名前が思い出せない店数件...道順は覚えているけれど。
載っていないだけなのだろうか、それとも寿命がつきたのだろうか。
一方、バア・やながせ、にしむらコーヒー、帽子屋マキシムなど老舗中の老舗は生き延びているようである。
まるで失われた古代都市を頭の中で再構築するような気分。街は生き物だし、昔のハイカラ神戸のままで残っててほしいなあ、などと思うのは単なるエゴなのだが。
次回一時帰国を予定しているのは2006年の3月。その時は発掘調査隊のような意気込みで、懐かしの三ノ宮の街角を歩いてみたい。2005年版の「神戸本」ではなく、80年代に出版されたガイドブックを見つけて地図とした方が良さそうだな。
どうも神戸のことを語ると「昔は良かった」と言う老人みたいな調子になってしまう。
海外に住んでいるため余計そう思うのだろう。
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