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小鳥の巣




ブルージュには鳥がたくさん住んでいる。


わが家にも裏の運河からは白鳥、鴨、鷺、かもめ。
庭には野鳩、すずめ、胸が真っ青な小鳥、頭でっかちで長い尾が印象的な黒い中形の鳥、ほほが朱色の小鳥、名を知らぬ鳥ばかり...鳥図鑑を買わなくては。


朝方、早起きを競うように彼らが歌い始める時間帯。鳴き声はあたかも地獄の黙示録のようにだんだんこちらの方にせまってくるような感じがする。

夕方と夜の谷間の時間、すべてが青に染まる一瞬、透明な鳴き声の大合唱は空に吸い込まれていくように聞こえる。
そんな時ちょうど遅いお昼寝から目覚めたりすると、大昔にタイムスリップしたようで...自分の感覚がむき出しになったような無防備さを感じて、思わず襟をかき合わせたりする。




わが家の庭の一番なじみは、オランダ語でブラック・バード(黒い鳥)と呼ばれるすずめの倍サイズの鳥。

オスはその名の通り真っ黒で濃い山吹色のくちばしをしている。
メスはうずらのような色合いで周囲に溶け込む地味な感じ。

このオス鳥、カップルになると自分の女(!)をたらふく食わせるため、彼女がパン屑をつついていると、他の鳥をそれはそれはアグレッシブに追い回すのである。

春も終わり頃になると、戦いをくぐり抜けたオスはちょっと羽が折れ曲がっていたり...
やるね。男はそうでなけりゃ(笑)。


毎年初夏に子ども達が誕生すると、かわりばんこにえさを探しに行き、子どもが巣立っても何かと一緒に世話を焼くのである。

去年は巣立ちが早すぎた子どもがいたのか、ちっちゃな一羽がしばらく地面で生活していた。



子どもはほとんど木の根元の茂みに隠れていたのだが、パパ鳥がミミズなどを捕まえては食べさせる様子をわたしは飽かずに見ていた...


さて今年も彼らは(同じカップルなのか、去年のカップルの子どもなのか?)同じ場所に巣作りを終えた。真っ白な花をつけるスノウ・ホワイトという名の小薔薇の茂みの中。

もうすぐ赤ちゃん達がえさをねだるけたたましい声が聞こえてくるはずである。



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