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French Lover




アメリカ人の友人が出張でヨーロッパにやって来て、ブルージュにも立ち寄ってくれた。

彼の新しい「フランス人の恋人」とともに。



夫から「Sがフランス人の彼女とブルージュへ来るって」と聞いた時、わたしの反応は「Sってフランス人の彼女ができたん?!(うっそ~うらやましい)」。

わたしだけではないはずである、「フランス人の恋人」と聞くと、理由もなく過剰な反応をする人々。

事実はさておき、「フレンチ・ラヴァー」というと「すばらしき愛人」の枕詞、いやさ代名詞ではありませぬか。

フランス人の友人もいて、花の都パリには過去何百回も滞在したことがあっても、フランスに住んでいるのは美男美女の恋愛の達人、という幻想からなぜか、なぜか逃れられない...いや、逃れたくないのである。

だから在日本の自称フランス狂いの友人が、大袈裟にいうと「パリはアラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴばかりにちがいない」(と思いたい!)気持ちもすごくよく分る。しかしドロンとドヌーヴとは古いな...



「国民性」に関しては、実際にその国の人たちを現す「心性」のようなものがあるとなんとなく思いがちだが、

(たとえば英国の家はすばらしいとか、料理がものすごくまずいとか、中国人はテーブルの足以外は何でも食べるとか、スペイン人は休んでばっかりとか、イタリアの男はマザコンとか、ドイツ人は真面目で働き者とか)

しかしそんなものはありそうでないもの、マンガのネタか、会話のジョークくらいにしかならないただの紋切り型イメージ、である。
たしかに紋切り型なくしては会話もできないし、人をからかうのはおもしろいのだが。


だから、と言っていいのか、Sの彼女に会ってみて、当然、「あははは、やっぱりそんなうまいこといかへんよねえ」と、美しき幻想は打ち砕かれたが(ゴメ~ンS)、それでも非常にうらやましい。

フランス人の恋人。

人間ってやはり妄想を食って生きている生き物なのか...


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