ようこそ劇場へ! Welcome to the Theatre!

熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

ロード・オブ・ウォー

2006-12-31 | 映画
去年の暮れに観た作品だが、そのままにしていて越年アップとなった。
その訳は、余りに現実的なやりきれないテーマで気が重くなったことと、その重さとは裏腹な軽さを装った娯楽映画風な作りに戸惑ったからである。個人的な好みからすれば、徹底的にドキュメンタリー・タッチで押して欲しかったのだが・・・。

ニコラス・ケイジが扮する武器商人・ユーリー・オルロフは旧ソ連のウクライナからの移民だが、少年時代にロシアン・マフィアの抗争を目撃したことで武器を生業にしようと決意する。少年の眼に焼きついたショッキングな光景はいかにも映画のイントロという感じで、「死の商人」の出発点というのには説得力に欠ける。
お話自体は虚実ない交ぜで冒険小説の映画化のように見えるが、オルロフが戯画化されて二重生活を送る善良なアメコミ・ヒーローみたいに扱われ、悪人に見えないのがインパクトの弱さに繋がっている。リビアの大統領にも同じことが言え、えらく魅力的な人物に見えてしまう。
ラストで空恐ろしくなる現実を提示されるのは確かだが、そこへ至るまでがジョークのように思えてしまうのが残念である。「兵器フェア(見本市)」「ウォッカ・キャビア・カラシニコフ」(カラシレンコンなら完璧?)などのフレーズが笑いと共に虚しく消えてゆく。
願わくばもっとシャープに、冷戦終結後に武器を垂れ流したロシアと、現在の国連安保理国、アメリカ、英国、ロシア、フランスなどの大国が武器の主要輸出国だという現実を踏まえ、大国が加担する戦争ビジネスと弱腰のインターポール。
冷戦時代の裏ビジネスが堂々と表ビジネスに出てきた現実はやっぱりやりきれない。

コメント   トラックバック (19)   この記事についてブログを書く
« 聖ヴァレンタインの劫火 | トップ | The Music Man »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

19 トラックバック

ロード・オブ・ウォー (ネタバレ映画館)
 「ランボーが使ってた銃をくれ!」「1、2、3・・・どれ?」「1しか観てない」「じゃ、M60だ。それ」  僕は弾丸。真鍮板から生まれたんだよ。検査を受けて、箱に詰められ、遥かな異国の地アフリカに渡って来ちゃった。今まさに銃に込められ撃たれたんだ。あっ、ぶつかる!
武器商人の光と闇とさらなる闇 「ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男 」 (平気の平左)
評価:75点{/fuki_osusume/} ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男 「武器商人」をニコラス・ケイジが演じるという予備知識しかなかったのですが、かなり社会派で、しかも面白い映画になっています。 適度にノンフィクションなので、実際に起こった武
『ロード・オブ・ウォー』 (ラムの大通り)
----この映画、最初『アメリカン・ビジネス』という タイトルで公開される予定だったよね。 結局、原題に戻っちゃったね。 「うん。なぜだろう?あまりにも生々しいからかな。 旧ソ連のウクライナから家族とともに 移民としてアメリカに渡ったユーリー(ニコラス・ケイジ)。
ロード・オブ・ウォー(評価:◎) (シネマをぶった斬りっ!!)
【監督】アンドリュー・ニコル 【出演】ニコラス・ケイジ/イーサン・ホーク/ジャレッド・レト/ブリジット・モイナハン 【公開日】2005/12.17 【製作】アメリカ 【ストー
ロード・オブ・ウォー (●○ゆるゆるシネマ感想文○●)
「ロード・オブ・ウォー」  公式サイト 劇場鑑賞 ゆづきの好き度(満点は★5個)  ★★★☆☆ 2005年12月17日公開 原題:LORD OF WAR 製作:2005年アメリカ 監督・脚本:アンドリュー・ニコル 出演:ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク
映画館「ロード・オブ・ウォー」 (☆ 163の映画の感想 ☆)
実際にあった話を映画化したという、武器商人のお話。 悪いことがはびこる世の中、でもそれで儲かる人がいるっていうのも事実。最近話題になっているマンション問題を思い出しちゃいました。スケールは違いますが「人が死のうが生きようが私には関係ありませぇ~ん!」...
ロード・オブ・ウォー (ももママの心のblog)
2005年 アメリカ ヒューマンドラマ、サスペンス 2006年1月1日 川崎チネチッタ 監督・脚本 アンドリュー・ニコル(ターミナル) 出演 ニコラス・ケイジ(ナショナル・トレジャー、マッチスティック・メン、フェイス/オフ、月の輝く夜に) イーサン・ホーク(ヒマラヤ杉に
ロード・オブ・ウォー (lip)
アクションものと思って軽い気持ちでいたら大間違いでした。 という訳で、これ、思いっきり反戦映画とも取れる作品ですな。ニコラス・ケイジといえばダサダサ、コン・エアーの印象がついちゃって…それ以外に印象に残っているのは「月の輝く夜に」(原題:Moonstruck)でし
ロード・オブ・ウォー LORD OF WAR (travelyuu とらべるゆうめも MEMO)
ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク主演 武器商人の物語 ロード・オブ・ウォー=戦争の主 ニコラス・ケイジのナレーションで  銃弾の製造過程が弾の視点にたっています そして アフリカの子供に・・・・ ユーリはウクライナ出身でブルックリンの リトル・オデッサで
ロード・オブ・ウォー (ハイジのシネマパラダイス)
ロード・オブ・ウォー 監督・脚本・製作:アンドリュー・ニコル 出演:ニコラス・ケイジ イーサン・ホーク ジャレッド・レト イアン・ホルム ストーリー ウクライナで生まれたユーリーはニューヨークに移住後、家族の経営するレストランを手伝っていた。 ある日
『ロード・オブ・ウォー』 (かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY)
そこにある不条理に胸が痛みつつ、ブラックなテーマに満足。 戦争ビジネスの実情がエンタメしていておもしろい。 ウクライナ生まれのユーリー・オルロフは名うての武器商人に成り上がっていった・・・この手の映画が全国ロードショー公開作になるのは、ニコラス・ケイジ
★「ロード・オブ・ウォー」 (ひらりん的映画ブログ)
2006年1本目の劇場鑑賞映画。 戦争物は余り得意じゃないけど・・・ この映画は武器商人の話らしいし・・・ 今のニコラス・ケイジじゃ、シリアスな戦争物は作らないだろーーし。
【劇場鑑賞】ロード・オブ・ウォー ―史上最強の武器商人と呼ばれた男―(LORD OF WAR) (ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!)
今世界には 5億5千万丁の銃がある。 ざっと12人に1丁の計算だ。 私が目指すのは・・・ ”1人1丁の世界”
ロード・オブ・ウォー-映画を見たで(今年8本目)- (デコ親父は減量中(映画と本と格闘技とダイエットなどをつらつらと))
監督:アンドリュー・ニコル 出演:ニコラス・ケイジ、ブリジット・モイナハン、ジャレッド・レト、イーサン・ホーク、イアン・ホルム、ドナルド・サザーランド 評価:95点(100点満点) 公式サイト 強烈。 軽く繰り出されたように見えるのに、と
ロード・オブ・ウォー (土曜の夜は・・・)
story 史上最強の“武器商人”と呼ばれた一人の男の実像をシニカルなタッチで描いたニコラス・ケイジ主演のアクション・エンタテインメント。監督は「ガタカ」「シモーヌ」のアンドリュー・ニコル。共演に「トレー
ロード・オブ・ウォー (Lord Of War) (Subterranean サブタレイニアン)
監督 アンドリュー・ニコル 主演 ニコラス・ケイジ 2005年 アメリカ映画 122分 ドラマ 採点★★★ “民主主義VS社会主義”という建前も冷戦の終結と同時に意味を成さなくなる。大儀を失った現代では、“圧制から人々を救う”という見え透いた嘘で戦争を続ける大 ...
ロード・オブ・ウォー LORD OF WAR (travelyuu とらべるゆう MOVIE)
ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク主演 武器商人の物語 ロード・オブ・ウォー=戦争の主 ニコラス・ケイジのナレーションで  銃弾の製造過程が弾の視点にたっています そして アフリカの子供に・・・・ ユーリはウクライナ出身でブルックリンの リトル・ ...
地獄の商人、虚像の死神が天職~「ロード・オブ・ウォーー」 (取手物語~取手より愛をこめて)
ソビエト連邦崩壊前のウクライナに生まれ、家族とともに少年期にアメリカに渡ったユーリー・オルロフ。
ロード・オブ・ウォー(DVD) (ひるめし。)
弾丸[タマ]の数だけ、札束[カネ]が舞う―――。