レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

トリック ひつじの村

2019-07-01 08:06:37 | 
エマヌエル・ベルクマン『トリック』 新潮クレストブック
 ドイツ作品。
 20世紀初頭のプラハに生まれたユダヤ人少年モシェが、母の死後、家出してサーカスに飛び込む。
 21世紀初頭、ロサンゼルスのユダヤ系家庭のマックスは、両親の離婚をくいとめたいと願い、伝説のマジシャンの行方をたどる。
 この両者の物語がしばらく並行して、交わり、ひいてはナチス時代のモシェの苦難、魔術師の復活と奇跡が語られる。重苦しくならずにしみじみとした読後感。
 

リース・ボウエン『巡査さん、事件ですよ』『巡査さんと村おこしの行方』 原書房コージーブックス
 「英国王妃の事件ファイル」というよりも「貧乏お嬢さま」シリーズと呼ぶほうが適切ではなかろうかと思う物語の作者の別シリーズ。気になっていたがめでたく図書館にはいってくれたので早速読んだ。こちらは「英国ひつじの村」がシリーズ名にされている、それにふさわしくカバーイラストはひつじも描かれていてかわいい感じ。主人公は「コージーミステリー」には珍しく男、これまで都会にいたが、故郷のウェールズの村に戻ってきた警官エヴァン・エヴァンズ。30歳まえ、たくましくハンサム。下宿先の女将は良い人だけど、たっぷりの食事を食べさせたがりすぎるのと、自分の孫娘と結婚させたがっているのが玉に瑕。おまけに近所のウェイトレスもしきりにアタックしてくる、でもエヴァン本人は、聡明な教師のブロンウェンが気になっている。そういう個人的な小さなやっかいごとに、たまにある殺人事件でキレを見せるエヴァン。
  これも楽しみなシリーズ。

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