レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

いま手元にある文庫新刊

2009-05-15 15:19:36 | 
 たいてい文庫の新刊は毎月数冊買うのだが、最近購入したのは、
・清水義範『翼よ、あれは何の灯だ』 ちくま文庫
・米原万里『他諺の空似 ことわざ人類学』 光文社文庫
・中野京子『おとなのための「オペラ」入門』 講談社プラスアルファ文庫
・吉屋信子『花物語』 河出文庫

 ミッション系女子高(「おねえさま」制度がある)を舞台としたコバルトのシリーズ『マリア様がみてる』がヒットしていたころ、この際だから、大正の少女小説の古典『花物語』を軽装版で出せばいいのに、と思ったものだけど実現しなかった。なぜいま?と思いもするけど。注目に値するのは、挿画として中原淳一のものを使用していないこと。本来の掲載時にはなかったものであるし、「既存のイメージをいったん横において」吉屋作品そのものを見て欲しい、という意図だそうだ。  上下巻並べると二人の少女がよりそう絵のこのカバーイラスト、デザインの面では悪くないけど(雰囲気が合ってはいるけど)、私はこの顔の描き方は好みでない。「さやか」、わりに人気のあるイラストレーターのようだ。いまのマンガ読者にとってはむしろ違和感のなさそうな絵。私はむしろ、伝統的少女マンガでやや古めの絵--いま念頭に浮かぶところで言えば、例えばさちみりほさんあたりを希望する。女の子ものといえば武内直子と言いたいけど、もう少しクラシックなほうがいいか。
 『徳川の夫人たち』、『女人平家』を新装版で出すなら、そしてマンガ家が装画or挿画を担当ということならだれがいいだろう。そりゃ、真っ先に浮かぶ面々はあるけど、なまじ近い題材を自分のオリジナルで描いた作家だとかえって抵抗があるかもしれないからなぁ。
 いま、ライトノベル以外でもマンガ家の絵を使うことが少なくないので、そう突飛なことではないはずだ。
コメント (2)
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