レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ヘロデという名前

2007-01-06 07:53:11 | 歴史
 1月6日は「公現祭」、東方の三賢人が生まれたイエスを拝みに訪れたということになっている。広い意味でのクリスマス期間はここまで。
 
 もう30年以上まえのこと、「週刊マーガレット」で鎌田幸美の『Oui, oui, 桜丸!』という学園ものがあり、学園祭にキリスト降誕劇を演じる場面があった。「三賢人」は一人ですませていたけど。「ヘロデ」なんて名前を最初に知ったのはこの時だったと思う。たいへんにインパクトのある響きだ。
 ヘロデといえば、まずは「嬰児虐殺」とくるだろう。『マタイ福音書』にしか記述がなく、史的根拠は乏しいらしいにも関わらず定着してしまっているのは気の毒ではある。
 しかし、これがなくとも、妻一人、息子2,3人、あまたの身内を殺しているので(※)、猜疑心の強い陰惨なイメージはどうしてもつきまとうだろう。為政者としての功績よりも、人となりへの先入観のほうが悪い意味で目だってしまっている例。
 ※アウグストゥスが「ヘロデの息子よりもヘロデの豚になりたい」と言ったというエピソードは有名。愛妻との間に息子を望んで得られなかったこの皇帝からすると信じられない行為であったに違いない。
 
 息子のほうのヘロデは『サロメ』。どうもこの名前には、血なまぐさい悪役の匂いが染み付いている。

 なお、妻と息子の処刑ということで、私はコンスタンティヌス大帝も連想する。しかしこちらのメダマ男は聖人にされている。なんだかすっきりしない・・・。
コメント
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