Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

2/15(金)東京フィル/サントリー定期/チョン・ミョンフンの振るマーラーの交響曲第9番/「死」と「悲しみ」の決然たる表現が胸を打つ

2019年02月15日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
東京フィルハーモニー交響楽団 第916回 サンリー定期シリーズ

2019年2月15日(金)19:00〜 サントリーホール A席 1階 1列 21番 5,355円(定期会員)
指 揮:チョン・ミョンフン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:三浦章宏
【曲目】
マーラー:交響曲 第9番 ニ長調

 東京フィルハーモニー交響楽団の「第916回 サンリー定期シリーズ」を聴く。今月のマエストロは東京フィル名誉音楽監督のチョン・ミョンフンさん。今回は「サントリー定期」「オーチャード定期」「東京オペラシティ定期」の3つの定期シリーズがすべて同じプログラムで、曲目はマーラーの「交響曲 第9番」だけである。もちろん、休憩なしの80分間。マーラー好きにとっては至福の時であろう。
 私は基本的にマーラーは苦手だ。その理由は単純そのもので、曲が長いからである。だいたいが、ハイドンが作り、モーツァルトが発展させ、ベートーヴェンが9つの曲をもって完成させた「交響曲」という楽曲の形式は、「第九」を別格と捉えれば4(〜5)楽章で40分以内に収まるものだ。ベートーヴェンは9曲の異なるタイプの交響曲を作りこの形式を極めたため、彼以降の作曲家は9曲の壁にぶつかることになる。シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームスと続く独墺系の交響曲作曲家は9曲を超えられない。そしてブルックナー、マーラーに至り独墺系の交響曲はほぼ終焉を迎える。結局、彼らはベートーヴェンを超えようとして、超えられなかった。おそらくは超えようとして、どんどん曲が長くなっていったのではなかろうか。そこには作曲する側の論理が詰まっているが、聴く側の立場はあまり考慮されていないのではないか。マーラーの「交響曲 第9番」こそその極め付けで、ベートーヴェンの「第九」よりも長い80分を要する。音楽を通じて何が言いたいことがあるなら、聴く側が集中して聴いていられる40分以内に収めるべきであって、要するに言いたいことを整理してまとめられないから曲が長くなってしまうのである。つまりマーラーの「交響曲 第9番」で言いたかったことは、ベートーヴェンなら半分の時間で言い切ってしまうことができているわげて、要するに才能の違いなのだと思う。・・・・以上、独断と偏見だけの私の言い分である(反論は受け付けません)。

 日頃そう思っている私ではあるが、今日のチョン・ミョンフンさんと東京フィルのマーラーの演奏を聴いて、考えを改めざるを得なくなった。とにかく素晴らしい演奏で、80分間が決して長く感じられなかったのである。退屈もしなかった。常に高い緊張感が保たれていて、質感の高い80分間。美しい音とエネルギーに満ちていて、聴いていて痺れるような感動が押し寄せてくる。要するに、演奏が上手ければ、言いたいことに80分かかっても聴いていられるというわけである。ということは、今まで聴いたこの曲の演奏はすべて下手だった・・・・?(失礼)

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