Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

1/23(水)東京フィル/サントリー定期/バッティストーニが描く物語音楽の劇的世界「魔法使いの弟子」「白雪姫」「シェエラザード」

2019年01月23日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
東京フィルハーモニー交響楽団 第914回 サンリー定期シリーズ

2019年1月23日(水)19:00〜 サントリーホール A席 1階 1列 21番 5,355円(定期会員)
指揮:アンドレア・バッティストーニ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:三浦章宏
【曲目】
デュカス:交響的スケルツォ『魔法使いの弟子』
ザンドナーイ:あるお伽噺の印象『白雪姫』
リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』作品35

 東京フィルハーモニー交響楽団の「第914回 サンリー定期シリーズ」を聴く。今月のマエストロは東京フィル首席指揮者のアンドレア・バッティストーニさん。今回は本日の「サントリー定期」と、1月25日の「東京オペラシティ定期」、そして27日の「オーチャード定期」の3公演を同プログラムで振ることになっている。本日はその初日。

 初日のせいもあってか、演奏が全体的にどこかまとまりに欠けている印象があった。各パートの楽器はよく鳴っているのだが、あまり歌っていない。即物的な感じがして人間味が少ないというか・・・・。各楽器が同じ方向性わ向いていないような、オーケストラ全体がまだひとつになっていないような、そんな印象の演奏だった。

 後半の後半、『シェエラザード』のロマンティックな第3楽章辺りからようやくまとまってきて、終楽章では派手な色彩感を大音量でぶちかますような演奏。それはそれで面白く、会場も盛り上がっていたが、私としては今ひとつな印象で、バッティストーニさんならもっと旋律をしなやかに歌わせ、人の思惑や情感が交差するような物語性を描けるのではないかと思った。東京フィルの方が、まだ温まっていなかったのだろうか。

 ひとつ気になったのは、コンサートマスターの三浦章宏さんのヴァイオリンのソロ。シェエラザードの主題を繰り返しソロで弾くわけだが、音を遠くまで通すためにか、どうもコンチェルトのカデンツァ風にガシガシ弾いていて、男性的すぎる。王様を寝物語で懐柔するシェエラザードの、甘くロマンティックなイメージが聴いていて湧いて来なかったのである。それがいかにも残念。ドラマティックな物語の部分が派手に描かれていただけに、シェエラザードの主題にはもっと色気が欲しかった次第であった。

 いずれにしても、今日の演奏はちょっと残念な印象になってしまった。いつもの東京フィルなら、緻密さと大胆が適度にミックスされ、色彩感豊かな濃厚なサウンドを響かせてくれるはず。今日はまだ仕上がっていないのに本番を迎えてしまったといったところだろうか。

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